桃海小説(短)

□支離滅裂
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怖かったからじゃない。


いつもと違う、あの目が無性にむかついたんだ。







なんだよその熱っぽい眼…






「なんだよ」

「んやー俺の部屋きたネーケド。
 ベットはちゃんとしてったろ?」

「座るところだからな」

「寝るとこだっつの」

だからねー…ちょっとこれがさー

えっとなー…



やっぱなんでもねー!!!




言葉が詰まってるというか。
いつもの桃城じゃない


「今日泊まってけよ。いっつも世話なってるし。お前のかーちゃんに」

「いいよ。お袋 飯つくってるだろーし」

「大丈夫。お前んち電話した」


なんなんだよ…。



「だから、お風呂も入ってけ」

「明日早いからいい」

「おばさんお前帰って来たら心配すんじゃね?
 喧嘩したかもしれないとか」

「…」

「俺の母ちゃんもご飯つくってるしよ?
 いーじゃねーの!たまには中学生」




わざとらしい…その笑顔








「かいど。俺風呂はいってくから」

「ん…」

俺は雑誌をめくりながら返事をする。

なんかアイツがおかしい
ことばがまとまってない。


雑誌を読むにも集中できなかった




することもなくて俺はいつの間にか寝ていた。






ふと気づくと。桃城が入ってきたような音がした。

うとうとしていて 眼を覚ますのも面倒くさかった。



うっすら眼をあけると全体に肌色が写る。



ああ着替えないで来たのか、
と、ぼんやり考えながら 眼をつぶる




「寝たのか?」

桃城に話しかけられたが、口を開くのがなんとも面倒だ。

そのとき




暗かったまぶたが、明るくなった

向きを変えられた、心なしか跨られてる気がする。


眼を開けないわけにもいかず。
重いまぶたをゆっくり開けた


「…なんだ…。」

まぶしくて最初は見えなかったが

桃城はやはり俺に跨っていた



「服きろ…重いし」


「なぁ海堂…今日俺 お前泊めたの理由があんだよ…」


「?」




頬にキスをされる。
生暖かく お風呂に入っていた熱だろう



今度はオデコに…鼻てっぺんに…
くすぐったくて 

ふるっと震えると
上から唾を飲む音が聞こえた。




「海堂…」

シャツを脱がされていく。



「やめろバカ…風邪引くぞ…はやく服…」


「いいんだよ…今から運動すんだから…」




意味が解らない。



言っている間にも、俺のシャツはどんどん脱がされていく


ある程度 脱がされたところで

止めさせようという、防衛本能がやっと働いた。


「ちょっ…まて…なにすんだ!」


「わかんだろぉ?お前だって男だろうが」


男だろうがわからないものは解らない。

「なんで脱がされなきゃねーんだ?!」

「だから…いわせんのかよ…。」

「なんだよ 言えよ」






桃城は うぐっと言葉に詰まったようにしてから

照れくさそうにボソリ と呟く

「ックス…」


「は?」


「だ…!だから…!!!俺はお前とセックスするつもりなの!!」












…なんだって?





いったからな! じゃあやんぞ!!

と桃城はいそいそと 俺のズボンを脱がしにかかる





なんか泣きたくなった










「しねえええええええええ!!!」





俺の蹴りは桃城の急所に命中


俺は半泣きで桃城の部屋を出た。









今日のうちに桃城の部屋へ戻る自分がいるけれど





とうぶん許す気はないのだ






なにを許すって…




2008年10月31日



ごめんなさい…

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