桃海小説(短)

□シビレ
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夏が始まる
じわじわとした季節


「俺達って行動範囲限られてるよな」

「あぁ?」


いつものように何気なく海堂に会話を振る


「せめーなぁ せめーよ」

毎日テニス三昧 テニス一色 

休日もテニス

三年になったから これまた勉強もしなきゃいけねぇしな


たまの休みだって 
どっか出かけたりするけど…

なんか狭い気がする…



「そう思わねぇ?おめーは」

「…思ったことはない」

「…そっ?」


ふーん 

ちょっと遠まわしにデートに誘う気だった

二人っきりでちょぉっと遠出して

一泊二日なんて楽しそうだとか

海堂とだったら おんなじことでも
何倍も楽しめると思う

うん たまんねーなぁ たまんねぇよ


まぁ遠まわしすぎて分かったら凄いくらいだな

こいつは鈍感だし


ココは男らしく 一発ばしっと誘うか!?


「なぁ!まむ…」

ばしぃ…


「まむしっていうな」

日々成長するとはこのことで

最近では言い終わる前に 殴ってくる

「おまっ…愛称だろ?」

「愛称でその名を呼ぶな ばか」



ちょ だまれ 海堂

今からオレはお前に…


「そういえば桃城 明日…」

「あぁ?」

「…っあし た…」

「明日…なんだよ?」


見る見るうちに海堂は真っ赤になっていく

あ…もしかして こいつ

オレをデートに誘う気なんか?


「ひ まか?」

言葉を言い終えると 
海堂は真っ赤だった顔を更に真っ赤にして俯く

あ やっぱ何もいわなかったことにしろ!

とそっぽを向いてしまった



その時オレは
全身に 指の先まで甘いシビレに襲われていた

ああ なんだこれ 

目の前のやつ めっちゃかっけぇこと言ったし

めっちゃ可愛いし…

めちゃくちゃにしてやりたくなった!!

ああああくっそ
オレの恋人は何処まで男らしいのか!!


気づいたら俺は海堂を
後ろから力強く抱きしめていた

「あぁもう おれ明日死ぬほど暇!」

「ちょっ離せ 暑いっ」

「海堂ひまー!!!オレ暇!」

「わかっ…わかったから! っておま…何処触って!!ぁっ」


そのうちコレを続けていると
一年生が入ってきて ご ごめんなさい!と
慌てて出て行ってしまった
オレは

「あ ここ部室だったな」


と今更なことをいって 

今の一年生を呼び戻して 誤解(?)をとくのである


2008年7月4日

桃海って本当にしびれる…
胸が大きく高鳴る!!

ああ…エクスタシー…

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