桃海小説(短)

□ヨーグルトとお預け
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海堂はアロエヨーグルトが好き


それは本人から聞いたわけじゃねーけど

見ててなんとなく分かった

極たまにしか 泊まったりはしないけど

その時 必ず 海堂はアロエヨーグルトを食べてる

海堂の表情は読み取りにくいけど


かなり幸せそうに食べてる

これは俺だからわかるのかもしれないって事で
これは俺が海堂をずっとみてた という事になるな

悔しいことに 



今日も 極 たまにしか泊まれない日
海堂家にお泊り!










『ヨーグルトとお預け』










「おい 桃城俺のヨーグルト見なかったか?」


「あ?アロエヨーグルト?」

「そこのテーブルに置いておいた…」

「くってねーぞ」

「……じゃぁ なんでねーんだよ」

「おまっ俺疑がってんのか!?」


さっそく 泊まりに来て喧嘩が始まるのはしょっちゅうで

今日もどっちかが そっぽを向いて喧嘩終了だと思っていたんだが

海堂が本気で俺がヨーグルトを食ったと思ってるらしく

海堂はなかなか引き下がらない


これには 俺も キレてきた

やっても無い事を やったといわれちゃ

温厚な俺も そろそろ我慢の限界っつーもんだ


そんな時だった

海堂のDVDやらなにやら 
さすが金持ちはちげーって分かる部分でもある

棚の上の所に とん っと置かれたアロエヨーグルトを発見した


「おい マムシよぉ ありゃなんだよ ああ?」

「!!」

「君の探してる あ・ろ・え ヨーグルトじゃねーのか?あー?」


ここぞとばかりに 俺は海堂を攻め入った


「っ… 置いた おぼえは ねぇっ」


「俺だって置いてねーよ?じゃ お前だろーが」


「っ」

「さーこの落とし前 どう付けてくれんだ?なぁ?」


俺は棚に置いてあったヨーグルトを取った

海堂は あっ とおもちゃを取り上げられた子供のようだった

可愛いと思ったけど そんな事言ってもやらねぇ

「返せ!俺んだ ぼけ 桃城!」

「人の所為にしたくせに?」

「!っ それは お前の普段の行ないがわりーからだろ!」

「あー傷ついた傷ついた」


俺はヨーグルトのふたを ぺリっと空けた

海堂は また大きく ああっっといって ヨーグルトへの執着心を見せて

そんなところに 俺の何かのスイッチが入った

俺は 不意にヨーグルトに指を入れた

思ったとおりにヨーグルトは指にべっとり付いていた


「ほら 海堂 ヨーグルト 食わしてやるよ ほら」


いまにも指先からぺトっと落ちそうなヨーグルトを恨めし気に海堂は睨む


「んな…きたねぇの何か喰えるかよ!」


仕舞いにはこんな事まで吐き出した

こんなに拒まれると 逆に喰わせたくなるのが定ってもんだよな?


「貴様が指につけたんだ 貴様で食…っ」


俺は海堂が喋り終える前に 床へと身体を押し込めた


抵抗する腕を背中の後ろに回らせて

体重をかける


海堂はもう足以外は抵抗なんて出来ない

俺はニマっと笑って海堂の口を無理矢理あけた


「いい眺め」

「うるはいっっ」


あーあーそんなに口悪くていいのかぁ?
なんて事をいいながら
俺は海堂の口に無理矢理指を突っ込んだ

「っんっぐぅ」

海堂は苦しそうに声を出す

そしてヨーグルトを何回か指につけた頃

飲みきれなかった涎とヨーグルトが頬を伝っていった

その光景に腰がうずく


指を抜くと銀の糸が口と指を繋ぐ


海堂は けほけほとむせあがる

俺はそれをじっと見ていたときだった


「それ 俺が出したヨーグルトじゃねぇっ」


海堂がそう叫んだ


「あー?じゃ なんでお前の部屋にあるわけ?」


と俺は 皮肉っぷりにいってみた


「しるか!その賞味期限と俺の出したヨーグルトの賞味期限が一致してねーんだよ!!」


そんな風に言われて 俺はヨーグルトに目をやったときだった

がんっと
イキナリ背中に激痛を感じて

海堂から身をおろす


「いってえええええええ!!」


海堂の膝蹴りが入っていたのだ

しかも いまだ と言わんばかりだった気がする


「てめ…嘘ついたな?…まむし」


「うっせぇよ もったいないまねすッからだ」


海堂はよろめきながらも立ち上がって

濡れた口元を拭いた

俺がヨーグルトくわねーのか?と聞くと



「こんな事されるくれぇなら 今日はくわねぇほうがマシだ!」



そう吐き捨てて

俺にキスをした



ヨーグルトの匂いがして

俺はそそられた


「海堂…してぇ」


しかし帰ってきた言葉はなんとも残酷な物だった




『一ヶ月 ぜったい禁止』


おれはまじめに後悔したのだった





2007年10月20日

なんだよ ぬるいじゃねーか
口に指いれただけじゃぁああん
なんて この先なんか かけるのか?俺には…
しかし桃海は永遠です

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