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No.1 【膝枕】(原作・未来)

家に帰ると母ちゃんが父ちゃんの膝枕で眠っていた。
いつもは逆なのに。
寝顔を見つめるその目は優しい。
そっと近づくと、俺に気づいた父ちゃんが口元に人差し指を当てて小さい声でおかえりと言った。
ただいまと言って隣に座ると、俺も父ちゃんを真似て母ちゃんの髪を撫でてみた。
「「…あ、今笑った」」




No.2 【制限時間はあと一分】(逆3Z)

『週末泊まりに行ってもいい?』
なんて言ったのは半分冗談、半分本気。
だってお年頃だもの。
即却下されると思いきや、返ってきたのは条件付きでのOKの返事。
『この問題5分で解けたらナ』
…フッ、俺の本気をなめんなよ。
どんな難題だって…
「ハイ、あと1分ネ〜」
可愛い声が非情な宣告を突きつけた。




No.3 【鼓動/感謝】(原作・未来)

小さな胸にそっと耳を当ててみる。
トクン、トクンと小さくも懸命に響く鼓動に、自然と涙が頬を伝った。
『生んでくれてありがとう』
『生まれてきてくれてありがとう』
伝えたい言葉は声にならなかった。
「…泣き虫なパパでしゅね〜」
その言葉に応えるかのように、俺の指を握る小さな手に力が込もった。




No.4 【声を聞かせて】(原作) 

『銀ちゃんのいじわる!』
俺を見上げる潤んだ目はそう訴えていた。
そんな真っ赤な顔で睨まれても怖くない。
むしろ俺を煽るだけ。
そんな事にも気づかずに必死で堪える姿に、もっと強い刺激を与えたいという欲求が膨らむ。
…さあ、そろそろこっちも限界。
観念しろよと囁いて、震える赤い唇に噛み付いた。




No.5 【押し倒す】(パラレル・後輩と先輩)

…そんなつもりはなかったんです。
コレは完全な事故なんです。
イヤ、こういうシチュエーションを全く期待してなかったって言えば嘘になりますよそりゃ。
だって健全な男の子だし。
ってか、先輩が可愛いのが悪…
「オイ、ブツブツ言ってないで早くどけヨ」
「……ハイ」
誰か俺にノーと言える勇気を下さい。




No.6【啄ばむようなキス】(原作)

『たまにはお前からしてくんね?』
ダメ元でそうねだると、真っ赤な顔で頷いてくれた。
恥ずかしいと言うので目を閉じてやると、躊躇うように唇に柔らかい感触。
チュッと音をたてて離れたそれはゆっくりと再び重ねられる。
懸命に何度も繰り返され、堪らず押し倒してしまったのは仕方のないことだと思う。




No.7【もうすぐ朝が来る】(原作)

…やっと。やっと待ち望んだ朝が来る。
背中越しに伝わる体温と柔らかい感触、そして静かな寝息。
その全てに意識を支配されながらも、己の理性を失わずに必死で耐えたこの悪夢のような夜が、今ようやく終わろうとしている。
あと少し。あともう少しでこの生き地獄ともおさらばだ。
耐えろ、耐えるんだ俺!




No.8【何を今更、】(原作)

「好きだ、神楽…!」
「…そんなのとっくに知ってるネ」
一世一代の告白に返ってきたのは予想外のリアクション。
「…え!?」
「だって銀ちゃん、分かりやすいんだモン。私が男の人と話してたらすぐ機嫌悪くなるし。それにこの前寝てる私にチューしようとしてたダロ」
…何てこった、全部バレてるなんて!




No.9【秘め事】(3Z)

「…っ好き、先せ…」
吐息と共に吐き出された言葉を遮るようにまた深く唇を重ねた。
形の良い眉が息苦しさに歪むのを見てようやく解放してやると、潤んだ目と視線が絡む。
「…今は"銀ちゃん"だろ?」
耳元で囁いてきつく抱きしめる。
校内の喧騒に紛れて甘い声音が耳を擽った。
「銀ちゃん…好きヨ…」




No.10【指先の温度】(パラレル・学生)

偶然触れた指先の冷たさに、思わずその小さな手を掴んだ。
一瞬迷ってそのまま自分のコートのポケットへ。
隣から感じる視線には無視を決め込み、代わりに少しだけ歩くスピードを緩めた。
ぎこちなく握り返してきた細い指に自分の指を絡めた。
いつの間にか熱を帯び始めた指先の温度はどちらのものなのか。
 
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