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□白昼夢
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「…ぎん、ちゃん…?」
俺を見上げる透きとおった青い目。
暑さで上気した頬。
開かれた口からは小さな赤い舌が覗く。
思わずゴクリと喉が鳴った。
…おかしい。
何で今俺、神楽を押し倒してんの?
さっきまで一緒に並んでテレビを見てたはずなのに。
一体どうしてこうなったのか必死で思い出そうとしている俺の思考を、神楽はいとも簡単に中断させた。
「ぎんちゃん、好きヨ…」
「!」
躊躇いがちに伸ばされた細い腕が首の後ろに回される。
それを合図に、俺は神楽の口に唇を寄せた。
「俺も好き…」
「……銀ちゃん、何してるネ?」
「………え?」
呆れたような声音にハッと我に返ると。
目の前にいたのは愛しの神楽ではなく。
青筋を立てながら握り拳を構え、今まさに俺に殴りかかろうとしている新八だった。
「……っっ!?」
ヒュンッ ドカッ
「…うぉわっ!?あっぶねェ!何すんだテメェ!!」
「…イヤ、暑さで頭沸いた銀さんを氷で冷やしてあげようかなって。」
「んな尖った氷どっから持ってきたんだよ!?死ぬわっ!!」
「アンタはいっぺん死んだ方がいいですよ。」
(白昼夢)