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□毎度お騒がせしてます
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事の発端はほんの些細な口ゲンカ。

売り言葉に買い言葉とはこのことで。

家出するつもりなんてなかったのに、出て行ってやると勢いで万事屋を飛び出した。

そうして、気がつけばたどり着いたのは恒道館道場。


「…何でアンタの方が家出してんですか、銀さん。」


ダメガネの呆れたような視線を感じながら事のあらましを説明すると、返ってきたのは深いため息だった。


「アンタ、いい年して家出って…」

「うるせェな…お妙も仕事でいねェんだろ、一晩くらい泊めてくれてもいいじゃねェか。」

「イヤ、泊めるのは構わないんですけど…でもやっぱり帰った方がいいですよ、銀さん。」

「…ヤダ、カエラナイ。」

「何でカタコトッ!?」


そう簡単に帰れる訳ねェだろうが。

神楽を怒らせちまったんだ。

帰っても絶対中に入れてくれねェよ。

俺の家なのに。

…つーか、家出なんてすんじゃなかった。

二度と帰ってくるなとか言われたらどうしよう。

あ…ヤベ、泣きそう。


「…さん、銀さんっ!」

「…あ?」

「神楽ちゃんから電話ですよ!」

「え…」

「ホラ、神楽ちゃんももう怒ってないから早く帰ってこいって言って…」

「帰る。」

「早っ!!」





『銀ちゃんは?』

「今そっちに帰ったよ。でさ、結局今回のケンカの原因は何だったの?」

『今日ヅラが遊びに来たんだけど、私がヅラとばっかしゃべってるのが気に食わなかったみたいアル。』

「…ハァ、あの人そんな理由で家出してきたの?こっちもいい迷惑だよ、ホント。」


(毎度お騒がせしてます)

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