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□君は僕の特効薬
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「何でわざわざしんどい体引きずってまでウチにきたアルか。こういう時は家でおとなしく寝てなきゃダメアルヨ。」
「…や、薬切らしてたし病院行く金もねェからよ、神楽ちゃんに看病してもらえるかなぁと思って。」
「だったら電話してくれたらそっち行ったのに。それで悪化させてたら世話ないアル。」
「………あ。」
「…銀ちゃんってやっぱりバカだったアルナ。ってことは、バカは風邪ひかないってアレはやっぱ嘘ネ。」
「…うっせーな、熱で頭がボーッとしてたから思い浮かばなかっただけだっての。」
「……ふーん?」
「…んだよ?何、笑ってんの?」
「つまり銀ちゃんは、寂しくて電話するの忘れるくらい慌ててたってことアルナ。」
「…バッ、おま、何言っちゃってんの!?俺の話ちゃんと聞いてた!?誰がんな事言ったんだよ!?」
「ハイハイ、わかったわかった。全く…弱ってる時くらい素直になればいいのに。」
「だからちげーって言ってんだろ!」
「ふーん…じゃあ、私がいなくても平気アルか?」
「平気も何も別に寂しいとか思ってねェし。てか、薬は飲んだから、後は熱が下がるまで寝てりゃいいだけだし。」
「…そうアルか。じゃあ、私今から出かけてくるから。」
「…は?」
「本当は今日出かける用事があったネ。また今度にしようと思ってたけど…銀ちゃんが大丈夫だって言うんならやっぱ行ってくるアル。」
「…ちょ、オイッ、病人ほったらかしにして出かけんのか!?」
「だって、後は熱が下がるまで寝るだけだって、銀ちゃんがそう言ったアルヨ。それに私がいなくても平気なんダロ?」
「…………。」
「……銀ちゃん?」
「……あーもうっ!!平気じゃねェよ!だからここにいろ!」
「…わっ!?」
「…つーか、今日はもうここでおとなしく寝とけ。」
「…寝なきゃダメなのは銀ちゃんネ。私は眠くないアル。」
「いいから。お前も寝ろ。」
「……もう、しょうがないアルナ。」
「オイ、もっとこっち寄れよ。寒い。」
「ハイハイ。」
「神楽」
「ウン?」
「もし俺が起きた時いなかったら怒るかんな。」
「…ハイハイ、どこにも行かないネ。」
(素直になってくれたのは嬉しいけど…その分何かいつもより我が儘になっちゃったアル。)
「…寒ィ、もっと引っ付けって。」
「…ハイハイ。」
(君は僕の特効薬)