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□思いがけず
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「ん?」

「どうした、神楽?」

「机の中に何か入って…手紙?」

「それ…もしかしてラブレターか?」

「まさかそんなワケ…」


『今日の放課後、体育館裏で待つ。逃げずに必ず来い。』


「オイ、これって…」

「果たし状アルナ。どこの誰だか知らないけど、この神楽様を相手にいい度胸アル。」

「…お前、まさか放課後行くつもりじゃねェよな?」

「もちろん行くネ!」

「…やめとけって。」

「何でヨ?私は逃げも隠れもしないアル!」

「ハァ…ったく、しょうがねーな。」



―放課後―


「銀ちゃん?別についてこなくても私一人で大丈夫だヨ?」

「…イヤ、お前が負けるって心配はしてねェよ。それよりちょっと気になる事が…」

「?」

(…あの字、どっかで見たことあんだよなァ。)

「…あっ、あそこ誰かいるアル。」

「…ん?アレは…」

「よく来たな、銀時ィ!」

「………ああ、お前か。」

「…ヅラ?果たし状の相手はお前だったアルか?」

「…ん、何でリーダーがここに?」

「何でって…お前が呼び出したんダロ?」

「んん?…イヤ、俺が呼んだのはリーダーじゃなくて銀時…」

「コレ、私の机の中に入ってたアルヨ。」

「な、何ィ!?」

「…オメェ、俺と神楽の机を間違ったんだよ。席が隣だからな、俺ら。」

「そうだったのか…。何てことだ、よりによってリーダーの机と間違えるとは…!」

「私の机だと何かマズかったアルか?」

「……ああ、マズイな。」

「…どういうことだよ?」

「俺とリーダーが戦っても意味がないからだ。俺が戦うべき相手は貴様だ、銀時!!………そう、リーダーを賭けてな!!」

「はっ?」

「おー…!なるほど、そういうことだったアルか!」

「何がなるほどだ。そんな簡単に納得すんな。ってか、ヅラァ…何で俺がテメェと勝負しなきゃなんねェんだ?」

「…まさか銀ちゃん、戦わないつもりアルか?男らしくヅラと勝負しろヨ。」

「…お前、ソレちゃんと意味わかって言ってんの?…つーか、俺がいちいちコイツにつき合ってやる義理なんかねェだろ。」

「フン。ならば、この勝負は俺の不戦勝だな。」

「……あ?」

「不戦勝でも勝利は勝利だからな。これでリーダーは俺のモノに…」

「なるかボケェェ!!」

「グハァッッ!!?」





「おおっ!銀ちゃんがヅラを倒したネ!!ってことは…私、銀ちゃんのモノになるアルか?」

「…えっ!?いやっ、手が勝手に……!お、俺は別にお前をどうとかそういうつもりは…」

「銀時ィィ!不意討ちとは卑怯だぞ、貴様!そうまでしてリーダーを手に入れたいかァァ!?」

「うるせェ!テメーは黙ってろ!!」


(思いがけず)
 

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