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□行動で示せ!
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「さぁ、銀ちゃん!はっきりするヨロシ!」

顔をズイッと近づけて自分に迫ってくる神楽に、銀時はどうしたものかと頭を抱えた。

(ハァ、頼むから勘弁してくれ…)



いつものように飲んで帰ってきた銀時を待ち受けていたのは、真面目な顔をして神楽が放った一言。

『…銀ちゃん、私のコト愛してるカ?』

その言葉に銀時は一気に酔いが醒めてしまった。

「………は?」

「だから、銀ちゃんは私のコト愛してるかって聞いてるアル。」

「……イヤイヤ、何でいきなりそんな事聞いてくんの?」

真剣な顔でジッと自分を見つめてくる神楽に、銀時は小さくため息をついた。

(今度は何のドラマの影響だよ…ったく。)

「いいからちゃんと質問に答えるヨロシ!!銀ちゃん、私のコト愛してるアルか?」

まるで夫の浮気を問い詰める妻のような勢いで胸ぐらを掴んで詰め寄ってくる神楽を、銀時は慌てて宥めすかした。

「ちょっ、神楽ちゃん!?落ち着いて!ねっ!?とっ、とりあえず中入ろう!なっ?」

何とか神楽を落ち着かせて居間に入ると、銀時は大きなため息と共にソファーにドカッと腰を下ろした。

その横に神楽もちょこんと腰を下ろすと、銀時の方に正座して向き直る。

「…さぁ、銀ちゃん!私のコトどう思ってるかはっきり言うネ!」

「………。」

今度は少し緊張したような面持ちで自分をジッと見つめてくる神楽に、銀時は再び閉口した。

(参ったな、こりゃ…)

どう思っているかと聞かれれば、そりゃあ好きに決まってる。

そうでなければ恋仲になどなったりしないし、それはお互いによくわかってる。

じゃあ何でこんな事を聞いてくるのか。

要するに神楽は自分に言ってほしいのだろう。

"愛してる"と。

(…何で女って愛してるだのそう言った言葉を欲しがるのかね…)

だけどあいにく自分は素直じゃなくて。

(第一、アレだ…あの…何か恥ずかしいだろ。)

そんな言葉そう易々と、しかも面と向かって言えるハズもなくて。

「………。」

この状況をどうすれば良いかと考えあぐねていると、さっきの威勢はどこへやら、今度は消え入りそうな小さな声で神楽が尋ねてきた。

「…それとも、私のコト嫌いアルか…?」

そう言ってシュンとうつ向いた神楽に、銀時はボリボリと頭をかきながら小さくため息をついた。

「……んな訳ねーじゃん。ってか、俺がそういうの苦手ってお前も知ってるだろ。」

「………。」

そんな今にも泣き出しそうな顔をされてしまうとどうにも弱る。

「………。」

「………。」

「…ハァ、わかったよ…」

「ほんとアルか!?」

その瞬間、神楽はパッと嬉しそうに顔を上げた。

(…可愛いじゃねェかコノヤロー)

何だかんだ言っても、やっぱり自分は神楽に甘いらしい。

ゴホンと一つ咳払いをすると、銀時は神楽に向き直った。

「………。」

「………。」

ソファーに正座で向かい合う2人の間に何とも言えない沈黙が流れる。

「…あー…か、神楽…」

意を決して口を開くと、自分の声が少し掠れていることに銀時は驚いた。

そう、つまり緊張しているのだ。

「はいアル。」

ニコニコと嬉しそうな神楽の顔とは対照的に、銀時の顔にはもう既にダラダラと大量の冷や汗。

「あ、あい…あ…」

「あい?」

期待の籠った青い目に見つめられ、ますます言葉に詰まってしまう。

「…あ…あい…っ、ああ!もうダメだっ!!」

そう叫ぶなり銀時は神楽の頬を両手で包んで上を向かせると、その柔らかい唇に口付けを落とした。

「…ぎっ、銀ちゃん!?」

突然の事に驚いて口をパクパクさせる神楽を見下ろし、銀時は満足気にニッと口の端を上げた。

「……これでわかったか?俺、嫌いな奴にこんな事したりしねェけど?」

「………ズルいアル。」

耳まで真っ赤に染めながら、それでも口を尖らせて呟く神楽に思わず苦笑してしまう。

だけど、らしくない言葉で想いを伝えるよりも。

断然こっちの方が自分らしいと思うから。

("愛してる"なんてやっぱ柄じゃねェよ。)

「…大人ってのはズルいモンなの。」

そう言って銀時は神楽の唇にもう一度口付けを落とした。




end.
 

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