memorial
□Last Letter
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『 拝啓 銀ちゃん
元気にしていますか。
相変わらず白髪の天パでいますか。
死んだ魚のような目をしていますか。
銀ちゃんがいなくなって、 もう4年もたちました。
こうして銀ちゃんに手紙を書くのも、もう何度目なのかわかりません。
また宛先不明で手紙が戻ってくると分かっていても、今度こそはもしかしたら銀ちゃんに届くかもしれない、そう思ってしまい書かずにはいられません。
私の周りの環境はこの4年の間にずいぶんと変わりました。
姉御のこと、新八のこと、かぶき町の皆のこと、そして銀ちゃんのこと。
考えれば考えるほど、毎日不安で不安でたまりません。
銀ちゃん、会いたいです。
すごく、すごく、銀ちゃんに会いたい。
会って伝えたい。
銀ちゃんのことが好きだって。
誰よりも一番、大好きだよって。
今、どこで何をしているのか分からないけど、きっと銀ちゃんは生きてるって信じてるから。
だから、手紙はもうこれで最後にしようと思います。
今度は手紙なんかじゃなくて、面と向かって直接伝えたいから。
だから、きっと帰ってきてください。
私、ずっと待ってるから。 神楽 』
最後の手紙を書き終えると、神楽はそれをいつものように封筒に入れ、そっと懐に忍ばせた。
目を閉じ、ゆっくりと一度だけ深呼吸をして気持ちを落ちつかせる。
「…行こ、定春」
隣りで大きな身体を丸めて眠っていた相棒の頭を撫でると、神楽は立ち上がって部屋を後にした。