memorial
□PRESENT
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翌日、クリスマスの朝。
神楽が目を覚ますと、枕元というかベッドにプレゼントが置いてあった。
神楽が仕事を終えて部屋に戻ってきたのは、確か夜中の2時頃。
その時はまだベッドには何もなかったから、この大きな"プレゼント"を持ってきたサンタは、きっと明け方近くに部屋にやって来たのだろう。
よく見ると、その"プレゼント"には真っ赤なリボンが付いていて、メッセージカードまで置いてあった。
『あなたのサンタより』
ご丁寧にも大きなハートマーク付き。
「…………。」
カードを裏返すと、そこにもサンタからのメッセージが。
『生モノにつきお早めにお召し上がりください。なお、開封後は返品できません。』
「………っ!」
思わず吹き出しそうになったのを何とか堪えながら、神楽はもう一度"プレゼント"に視線を戻した。
静かに寝息をたてているサンタからの贈り物は、よく見れば上下真っ赤な服を身に付けている。
だけど、視線を少し上にずらせば、柔らかい金髪にはプレゼントの証しである赤いリボンを付けている。
今自分の隣で眠っているのは、サンタなのかプレゼントなのか。
「一体どっちアルか…」
呆れたように呟くも、その顔には優しい笑み。
きっと両方なのだろう。
サンタでもあってプレゼントでもある。
「…フフッ、仕方がないからサンタごとプレゼント貰ってやるネ。」
金時はまだしばらく起きそうもない。
だけど、クリスマスはまだ始まったばかりだし、もう少しゆっくり眠るのもいいかもしれない。
幸せそうな寝顔に一つ口付けを落として、神楽は再び眠りについた。
end.