memorial

□そして、続いていく幸せ
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「ったく、ほんと勘弁してくれ…何でアイツはいつもああなんだ。」

疲れたようにため息をつく銀ちゃんの様子に、私は思わず笑っていた。

「だから何度も言ってるダロ?類は友を呼ぶアル。」

「…友達じゃねェよ。」

銀ちゃんは拗ねたように呟くと、私の肩に頭を乗せた。

フワフワの髪が首や頬を擽って、思わず身を捩る。

だけど、それを逃がさないとばかりに銀ちゃんの腕が私の背中に回って、酢昆布やうまい棒ごときつく抱きしめられた。

「…銀ちゃん、このままじゃうまい棒が粉々になっちゃうアル。それにもうすぐ…」

「…わかってる。でもあともう少しだけ…」

もし今誰かに戸を開けられたら。

一瞬そう思ったけど、銀ちゃんの腕の中が心地よくて、それは気にしないことにした。

「…なァ、神楽」

ふと、銀ちゃんが小さく呟く。

「ウン?」

「…本当にいいのか?」

「何を今さら。銀ちゃんこそ後悔してるんじゃないアルか?」

冗談っぽくそう聞くと、意外にも銀ちゃんは真面目な表情で答えた。

「んな訳ねェだろ。」

大きな手が優しく頬を撫でる。

「だって、朝からずっと緊張してるネ。」

「まぁ、そりゃな…相手が相手だからな。でも…」

「でも…?」

「絶対、何がなんでも認めさせてやるよ。」

そこには、いつもの不敵な表情の銀ちゃんがいた。

「…それは頼もしいアル。」

少しだけ背伸びして銀ちゃんの薄い唇にキスすると、お返しとばかりに触れるだけのキスが顔中に降ってきた。

「誕生日おめでとう。」

耳元で囁かれた言葉に胸が暖かくなっていく。

私は目を閉じて、来年も再来年もずっとずっと、銀ちゃんの傍にいられますようにと願った。

そのまま玄関で抱き合ってるところを、買い物から帰ってきた新八と、銀ちゃんが朝から緊張しながら待っていた人物に揃って目撃されて大騒ぎになるのは、この数分後のこと。


『俺の神楽ちゃんに何やってんだァァァ!!!』

『銀さん!こんな時に何やってんですか!!?』




「お義父さん、娘さんを僕にくださいィィ!!」




end.
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