memorial
□この限りない想いを
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この想いに果てなんてあるのだろうか。
時々ふと、そんな事を考えてしまう。
好きで好きで堪らなくて。
この気持ちを何度伝えても伝え足りなくて。
「…何考えてるアルか?」
不意に聞こえてきた声に腕の中へと視線を向ければ、2つの丸い瞳が俺を見上げていた。
「起きてたのか。」
いつから?と目だけで問えば、神楽は小さくあくびをしながら「ついさっきアル」と答えた。
「眠いんだろ。まだ朝までだいぶ時間あるし、ゆっくり寝てろよ。」
頬を親指の腹でそっと撫でてやると、神楽は擽ったそうに小さく笑う。
「大丈夫ネ。それより銀ちゃん…」
「ん?」
「さっき、何考えてたアルか?」
「んー…イヤ、どうしたらお前に伝わるかなって…」
「…何が?」
柔らかい髪を指に絡めながら、不思議そうな顔をして見上げてくる神楽の額に口付けを落とす。
「銀さんがどんだけ神楽ちゃんを好きかってコト。」
「………っ!」
そう言った瞬間、白い頬がたちまち朱色に染まっていくのが、部屋に差し込む月明かりで分かった。
その様子に自然と口元が緩む。
想いが通じ合ってだいぶ経つというのに、未だにこういった可愛い反応を見せてくれる神楽がどうしようもなく愛おしいと思った。