treasure

□まるで片思い
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最初はほんの好奇心だったのかもしれない



今夜は何回、押入れの中で寝返りを打っただろう

コチコチと規則的な音が煩くて、何故だか恐くて眠れない

こんな夜、暗い押入れの中にいると、世界で一人ぼっちになったようで不安になる


そんな事、有り得はしないのに


戸を開けて、狭いソコから這い出る

確認するだけでいいのだ

自分が一人じゃないのを確認するだけで。



変に緊張して和室の戸をソッと開く

中には静かに寝息を立てて寝ている男の姿

それに酷く安心して、戸もそのままに部屋の中へ

男の隣にしゃがみこむと自然、目につく銀ちゃんの顔

通った鼻筋に薄い唇、あぁ、喋らなければ良い男なのに

身動き一つしない銀ちゃんが生きているのか心配になって、肌蹴て見えてしまっている胸にキスをした

ドクンと唇から伝わる心臓の音に、良かった生きてたと安堵して、顔を上げる

唇から熱が移ったのか頬が熱い。

銀ちゃんが起きていない事を確認して、足音を立てないように和室を後にした


眠れない夜は、またこうして来よう



バレないように

それまで この行為を続けよう


この秘密の習慣を お互い知る事になるのは、もう少し後のこと



 まるで片思い
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