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□天使の思惑。
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「最近の神楽ちゃんは一段と可愛くなりましたね〜。」

新八が洗濯物をたたみながらオレに相槌を求める。

「あぁ?そうかぁ?」
「そうですよ。姉上から化粧の仕方も習ったみたいですし、銀さんの真似もしなくなったし、僕も一安心です。」

手の動きを止めることなく新八が笑顔で答えるのをジャンプを少しだけずらして横目で見る。

「あんま変わんねェよ。」
「そう思ってるのは銀さんだけですよ。」
「あん?」
「そろそろ認めたらどうです?神楽ちゃんも大人になったんだって。」
「はぁ?まだあいつはガキだよ。」
「まぁ、お父さんの気持ちも分かりますけどね。」

新八は苦笑交じりにそう言うと、たたんだ洗濯物をしまいに行った。

お父さん。

その言葉だけがなぜか耳に残る。

神楽が最初化粧して帰ってきたときはびっくりしたもんだ。

将軍の接待をやったときとおんなじようなメイクだったから一瞬化け物かと思ったくらいだ。

ガキが色気づきだすとそのスピードははやい。
あっという間にナチュラルメイクが出来るようになってた。

なんなんだ、このなんていうこともできないモヤモヤ感。

これが父親の気持ちか?

大体オレには家族ってもんがいなかったし、もちろん本物のガキもいねェから、良くその辺がわかんねぇ。
まぁ、新八と神楽っていうガキはできたけど。

やっぱコレが俗に言う父親の哀愁?

まぁ、そんな言いつつも、外見以外はまだまだガキだ。

相変わらず卵ご飯やお茶漬けが好きだし、酢昆布も手放さない。
言葉も相変わらずアルアル語だし身長だって伸びてねェ。

でも。

中身が変わってなくてもなんか外見が違うだけで見ているこっちは戸惑ってしまう。

神楽や新八にはわからないようにしてるけど、最近のオレは本気で神楽をどう扱っていいか迷っている。
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