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□ぎんかぐ de あいうえお
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【や】 やめるなら今の内


「……ほんとにいいのか?やめんなら今の内だぞ。一旦始めちまったらもう途中で止まれねェよ、俺。」

「さっきからいいって言ってるネ。女に二言はないアル。」

「…そうか、分かった。じゃあ…」

「……っ!ちょ、ちょっと待つアル!」

「………何?」

「え、えっと…ちょっと深呼吸させてほしいネ。」

「……なァ、無理すんなって。やっぱ今日はもうやめに…」

「だっ、大丈夫アル!ちょっと緊張してるだけネ!」

「…そうは言うけどよォ、このやり取りもう何回目?こう何度も"待て"をくらっちゃあ、さすがに銀さんも我慢きかなくなってきてんだけど。」

「…なら、我慢しなくていいアル。どうせなら一気に奪ってほしいネ。」

「何言っ…」

「"やめるなら今の内"なんて、私に逃げられるスキ与えないでヨ。」

「……あーっ!もう、どうなったって知らねェからな!覚悟しとけよコノヤロー。」


(やめないで)






【ゆ】 譲れない


「銀ちゃん…あのネ、私銀ちゃんのコトが…」

「神楽、好きだ。」

「……ちょっ、銀ちゃん!私が言いかけてたのに何で先に言っちゃうネ!"レディファースト"って言葉知らないアルか!?」

「ああ?どこにレディがいるってんだよ?大体なァ、こういうのは早いモン勝ちなんだよ。」

「…ズルイアル。早いって言うなら絶対私の方が先に銀ちゃんのコト好きになってたのに。」

「残念、俺の方が先ですぅ。」

「何言ってるネ、私の方が先に決まってるダロ。大体私が銀ちゃんのコト好きって気がついてからも、銀ちゃんはあちこちで女とフラグ立てまくってたアル。」

「イヤイヤ、フラグ立ててたっつーんならお前の方こそいっぱいいんじゃねェか。まぁ、俺は大人だし?他のヤローのことなんて気にせずにお前一筋だったけどね。」

「バカアルナ、銀ちゃん。私の方がずっと銀ちゃん一筋だったし、銀ちゃんのコトももっとずっと好きに決まってるネ。」

「オイオイ、そりゃ聞き捨てならねェな。そんなこと言うなら俺なんか…」

「あの、2人共ちょっと聞いていいですか?」

「「あん?」」

「…愛の告白が何でこんな展開になってんですか?」

「「…………何でだっけ。」」



「…まぁ、両想いだったって分かったんだし、これ以上言い争うのはやめてくださいよ。どっちもお互い大好きってことで良いでしょ。」

(まったく、この人騒がせなバカップルが…)

「「良くねェよ!」」


(私が誰より一番)






【よ】 欲張っちゃダメ?


「…ぎんちゃん、やっぱり私もそれたべたいアル。」

「あ?何だよ、お前がチョコがいいっつーから譲ったんじゃねェか。もうねェぞ、コレで最後。」

「でも!バニラのもたべたいんだモン!」

「ダーメ!アイスは一日一個まで。腹壊すぞ。」

「うー…」

「ホレ、早くそれ食っちまわねェと溶けるぞ。」

「ウン……あっ、そうだ!」

「?」

「ぎんちゃん!ハイ、あ〜ん。」

「…は?」

「あ〜ん。」

「…え、ちょっ、神楽ちゃん?」

「ぎんちゃんもはやく私にあ〜んしてヨ。そしたらチョコもバニラもどっちもたべれるネ!ねェ、いいデショ?私チョコあじもたべたいアル…」

「…ったく、仕方ねぇな。」

「アリガト、ぎんちゃん!!」

(ほんと俺って甘いな…)



「ホラ神楽、あ〜ん。」

「あ〜ん……んんっ、バニラもおいひいネ!」

(………カメラ、どこにしまったっけ?)


(いっぱい食べるキミが好き)

 
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