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□ぎんかぐ de あいうえお
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【は】 花占い


プチ…プチ…プチ…

「…………。」

「銀ちゃん、何やってるアルか?」

「ウオッ!?…何だ神楽か。気配消して近づくなよ、びっくりすんだろーが。ってかお前、まだ帰ってなかったの?」

「机の中に酢昆布置き忘れたから取りに戻ってきたネ。」

「…ソレ、わざわざ取りに戻るくらい大事なモンか?」

「当然アル!…で?銀ちゃんは何やってたアルか?いい年した大人が真剣な顔で花むしるって…怪しいを通り越して何か怖いアルヨ。仕事のストレスでも溜まってるアルか?っていつもダラけてる銀ちゃんに限ってそんな訳ないか、ハハッ。」

「……テメェ、黙ってりゃ好き勝手言いやがって…」

「あーあー…花瓶の花が全部台無しアル。ほんとに銀ちゃん一体何やってたアルか……って、え?まさかとは思うけど…もしかしてコレって…花占いしてた、とか?」

「……そーだよ、悪いか。」

「マジでか。…フーン、銀ちゃんにもそんな乙女チックなとこあったんだナ。」

「…お前、今絶対俺のことバカにしてんだろ。」

「エー、ソンナコトナイアルヨ。」

「…セリフがあからさまに棒読みじゃねェかゴラ。」

「怒るなヨ、銀ちゃん。可愛いって言ってるアル。それにネ…」

「………何だよ。」

「そんな心配しなくても私、銀ちゃんのこと大好きアルヨ?」

「……………あ、そう。」

「…ププッ、んもう照れちゃってこの子は!」

「お母さんっ!?」



「あ、1本だけ残ってたネ。私もやってみよっと!」

「…それこそお前はする必要ねェだろ。心配しなくても俺はお前のコト…」

「寿司、焼肉、寿司、焼肉…」

「……何やってんの?」

「え?今日の晩ごはんを占ってるアル!もちろん銀ちゃんの奢りでナ。」

「……………。」


(そんなものに頼らなくても)






【ひ】 秘密 


「何でなんだ神楽!!何で答えてくれねェんだ!?」

「…………。」

「俺達夫婦の間に隠し事はナシだって言ったじゃねェか…!」

「銀ちゃん…」

「なァ、頼むよ神楽!俺はどうしても知りたいんだ…!」

「………ゴメンネ。」

「オイッ、待ってくれ!!頼む!神楽ァァァ!!」



「お腹の子は男なのか!?それとも女なのか!?教えてくれェェェ!!」



「何でだ、神楽ァァァ!!」

「……ちょっと銀さん、さっきからうるさいですよ。静かにしてくださいよ。近所迷惑でしょ。」

「…ああっ!?テメェに俺の気持ちが分かんのかよ!?」

「もう良いじゃないですか。神楽ちゃんが生まれてくるまでのお楽しみだって言ってるんだから。」

「どっちなんだァァァ!?」

「…ダメだ、聞いちゃいないやこの人。」


(気になってしょうがない)






【ふ】 ふいうち


「銀ちゃん、ちょっとこっち向いて?」

「ん、何だ…」

チュッ

「!」

「へへっ、ふいうち成功アル!」

「……ったく、なーに可愛いコトしてくれてんの?銀さんもうお前にメロメロなのに、コレじゃさらに惚れ直しちゃうじゃねェかコノヤロー。」



「…って感じなのをやりたかったアル。」

「……ああ、ウン。ちょっと俺のセリフに言いたいことあるけど…まぁとりあえずお前の考えは分かった。でもいくら何でもアレはやり過ぎだからね。ふいうちだからってキスすんのにあんな勢いつけちゃダメだからね。もはやアレただの頭突きだったから。」



『銀ちゃん、ちょっとこっち向いて?』

『ん、何…ウゴォォォッ!?』


(乙女の奇襲)






【へ】 へんたい


「ぎゃー!!」

「どうしたリーダー!?」

「ヅラァァ!ぎんちゃんが、ぎんちゃんがっ…へんたいアルゥゥゥ!!」

「ん?うむ、そうだな。」

「そうだな、じゃねェェェ!!なーに冷静に頷いてんだコノヤロー!」

「何だ、全然大変そうじゃないではないか……チッ。」

「オイコラ、今舌打ち聞こえたぞ。テメェ、さっきの絶対わざとだろコラ。」

「それより何があった。」

「あ?……ああ、別に大したことじゃねェよ。ちょっと包丁で指切っちまったんだがよォ、それ見て神楽が…」

「そうか、分かったぞ!」

「は?何が?」

「銀時、さては貴様その切った指をリーダーにペロペロしてもら…」

「変態はテメェだボケェェェ!!」



「…ぎんちゃん、いたい?」

「ん?神楽がバンソーコ貼ってくれたからもう大丈夫だ。だからンな顔すんな。な?」

「ウン、よかったアル。ねェ、ぎんちゃん。ヅラは?ヅラのはバンソーコはったらなおるアルか?」

「……ありゃもう手遅れだ。」


(たいへんたいへんたいへんたい……変態)






【ほ】 ホラー映画


「……っ……」

「銀ちゃん。」

「ギィヤアアアアア!!!」

「……何やってるネ。」

「な、何だお前か…おどかすんじゃねェよ!」

「怖がりのクセに何ホラー映画なんか見てるネ。」

「たまたまチャンネル変えたらやってたんだよ。つーか、別に怖がってなんかねェし?今のはお前がいきなり声かけるからちょっとびっくりしただけだし?」

「ふーん、まあ別にどうでもいいけど。それより風呂空いたから入るヨロシ。」

「お、おう…………なァ、もっかい銀さんと一緒に入らねェ?」

「お断りするアル。ってか、私もう寝るから、オヤスミ。」

「えっ、もう!?…じゃ、じゃあ俺も風呂は明日の朝にして今日はもう寝よっかな!」

「好きにするネ…って、何でついてくるアルか!?銀ちゃんの寝床はアッチ…ちょっ、狭いのに入ってくんなヨ!」

「つれないこと言うなよ、オイ。今日は特別に銀さんが一緒に寝てやるっつってんだ。嬉しいだろ?」

「…銀ちゃん、正直に言うヨロシ。でないと今すぐココから蹴り飛ばすア…」

「お願いします!俺の部屋で一緒に寝て下さいィィィ!!」

「…………ハァ。」



「ちょっと、そんな引っ付かないでヨ!暑いアル!!それに銀ちゃんやっぱり汗臭いネ。少し離れてヨ!ねェ、聞いてるアルか!?」


(夏の夜あるある)

  
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