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□狼さんになる前に
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自覚するのはするまでが大変だが、
してしまえば後はたやすい。
周りからは鈍感だ何だとか言われるが、俺だって意識くらいはある。
狼さんになる前に
「…ソフィ?」
風呂から出て自室に戻って来ると、俺のベッドの上でソフィが寝ていた。
散らかっている絵本を見れば、きっと俺が来るまで待ってようとしてくれたのだろう。
「……はぁ、」
とりあえず、絵本を片付けてソフィを隣のベッドに移動させようと思い、散らばった絵本をまとめて本棚に戻す。
いつもは俺の事を待ってるにしても、昔ヒューバートが使っていた方のベッドにいるのに、今日はどうしたのだろうか。
「…おーい、ソフィ」
なるべく小さめな声で呼んで、彼女の体を揺する。
すると、小さく唸って、こてん、と寝返りをうつ。
「…アスベル、ダメだよ、」
…いや、何がダメなんですか、ソフィさん。
相変わらず幸せそうな顔で寝ながら寝言を発するソフィ。
そっと彼女の寝ている近くに腰を下ろせば、ギシッとベッドのスプリングが軋む。
ゆっくりと彼女の顔の横に手をついて、顔を近付ける。
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