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□結論はワンピースで
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「やぁ、アスベル」
そう言ってリチャードは俺の執務室の机に座って優雅に紅茶を飲んでいた。
「…陛下、なんでいるんですか?」
ずっと庭にいたのだから、くればわかるはずなのに気付かなかった。
「なんでって、酷いね」
陛下なんて白々しい、と相変わらずニコニコと笑いながらお茶を啜るリチャード。
よくよくみれば、部屋の窓は開きっぱなしでカーテンが風に揺れている。
「窓を開けっ放しなんて無用心じゃないか」
えぇ、そうですね、俺が悪かったですよ。
…でも待てよ?
俺はちゃんと戸締まりをして出て行ったぞ?
「なぁ、リチャード」
「なんだい?マイハニー」
「マイハニー、て…」
何なんだよ、と俺のツッコミを無視して、リチャードは続けた。
「あっ、そうそう。今日は君のために服を持ってきたんだ」
この前街に行った時にさぁ、とぺらぺらと勝手に喋りつづけるリチャード。
…どうしてだろうか、とてつもなく嫌な予感がする。
これは逃げた方がいい。
脳が警鐘を鳴らしている。
リチャードには申し訳ない…いや、ここは身の安全が先だと思い、回れ右をしようとした時だった。
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