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□Whitest... 2
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「リチャード、どうしたんだ?」
ソフィを家に送ってから、リチャードはアスベルに近所の公園まで出向くように頼んだ。
「いや、聞きたい事があってね」
そう言ってアスベルの近くまで歩みより、ぐいっと腕を引っ張った。
そして、自分の胸の中にすっぽりと収めた。
「リ、リチャードっ!!?」
いきなり抱きしめられてパニックに陥るアスベル。
しかし、そんな彼などお構い無しに、リチャードはわざと彼の耳元で喋り始めた。
「アスベル、君は誰が好きなんだい?」
「…えっ?!!」
いきなり囁かれた言葉にアスベルは顔をしかめた。
「誰が好きって…、」
「…中途半端な気持ちは誰かを傷付ける」
それだけは覚えといて、と付け加えて、アスベルを解放する。
「それって、どういう、」
「…君が1番わかってるんじゃないかな?」
いつにもなく、不敵な笑みを浮かべるリチャード。
「そうそう、」
あんまりもたもたしてると僕が貰っちゃうからね、と笑いながらアスベルに言ってやれば、ますますわからないというように首を傾げた。
「まぁ、よく考えてね」
それじゃ、と言ってリチャードはアスベルに背を向けた。
残されたアスベルは一人、リチャードの言葉の意味を考えるだけだった。
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