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□Whitest... 2
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「…痛い、」

ぎゅっ、と左胸を押さえながらソフィは呟く。

「なんで、こんなに痛いの…?」

アスベルとシェリアが幸せならそれでいい。
みんなが笑っていれば、ただそれだけで幸せなはずだった。

「ねぇ、リチャード…」

わたしは病気なのかな?

今にも泣き出しそうにソフィは呟く。
しかし、リチャードは優しく微笑みながら首を横に振った。

「大丈夫だよ」

ソフィは普通だよ、と言って、正面に座っている彼女の頭を撫でる。

「…ソフィは優しいからね」
「わたしが、優しい?」
「うん、」

誰にも傷ついてほしくない、皆に幸せになってほしい。

いつだってそうだろう?と付け加えてやれば、こくりと頷く。

「…アスベルの事は好き?」
「うん、」
「じゃあ、僕の事は?」
「好きだよ、でも、」

アスベルのとは違う、と言ってソフィは俯いた。

「その好きっていうのは、とても大切な好きって感情なんだ」
「そうなの?」
「あぁ…。シェリアがアスベルに対して持っているのはそういう感情なんだ」
「じゃあ、わたし…」
「大丈夫」

いけない感情じゃないよ、と付け足してやれば、ソフィが驚いたように顔を上げた。

「感情はいつだって自由なんだ。だから、ダメとかそういうのはないんじゃないかな」
「そうなの?」
「たぶん、」

少しは楽になったかい?と尋ねてみれば、ソフィはこくりと頷いた。

「そう、よかった」

そろそろ行こうか、と微笑みながら、リチャードはソフィに手を差し出した。






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