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□So Sweetest Sweets
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ある晴れた昼下がり。
魔法以上のユカイは起こりそうもない城の花園にあるテラス。

僕が満足げに目の前にいる恋人を見ていると、どうした?とアスベルはおやつを食べる手を止めて小首を傾げた。

「いや、何でもないよ」
「そうか」

ならいいや、と言って食べかけのシュークリームを口に含むと、今度はスコーンをつまむ。
そんなに食べて飽きないのかな、なんて思いながら僕は彼を見つめつづけた。

「お菓子、美味しいかい?」
「…うん、もちろん!!」

そう言って満面の笑顔を向けてくる彼。
僕もつられて自然と笑みを零す。

「リチャード?」

ずっとアスベルの方を見ていた僕を不思議に思ったのか、彼はきょとんとした顔で首を傾げた。
それが少しくすぐったいような感じがして、クスッと笑う。

「こ、今度はなんだよ!!」
「いや、かわいいなぁ…と思って」
「かわいいって、」

不服かい?と僕が尋ねれば、もごもごと口ごもってしまうが、何か閃いたのか、あっ、と声を上げた。

「リチャードはお菓子、食べないのか?」

随分と苦しい話題転換だな、と思いつつも、やっぱり自然と微笑んでしまう。
僕ってこんなに表情筋が緩かっただろうか、などと考えてみるが、どうやら答えは出ないようだ。

「…じゃあ、貰おうかな」

そう言って微笑めば、アスベルはどれがいい?とお菓子の入っているバスケットを勧めてくる。

「そうだなぁ…、」

答えは出ているけど、考えるフリをして行儀が悪いけど僕は身を乗り出してアスベルの頬に手を伸ばした。

「…これで」

そう短く呟いて、アスベルの口許に付いていたクリームを指で掬って口に運ぶ。

「うん、美味しい」

そう言って微笑めば、ばか、と恥ずかしそうに小さな声で悪態を付くアスベル。
怒られているはずなのに、どうもそれがかわいく見えてしまう僕は異状なのだろうか。

「アスベル」
「何だ…っ、」

彼の名を呼んで素早く自分の口にお菓子を含んでそのまま彼に口づけをする。
口に含んだのはどうやらチョコレートだったようで難無く溶け、容易にアスベルの口に流すことが出来た。

「…美味しかった?」

意地悪く尋ねてみれば、わかってるだろ、と言ってぷいっと横を向いてしまう。
そんな彼がかわいくて僕はまた無意識のうちに笑っていた。
















So Sweetest Sweets


(キミはどんなお菓子よりも)

(甘美で美味だ)






end.
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