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□Whitest... 1
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見たくないのに見てしまった。

「アスベル、好き」

ずっと、皆でいられると思ったのに。

「私と付き合って」

それは簡単に崩れてしまった…。













Whitest...








「ねぇ、アスベル」

朝食のトーストを食べながらソフィはアスベルに問い掛けた。

「何?ソフィ」

何食わぬ顔で返事をすれば、ソフィは少し間を置いてから口を開く。

「…シェリアと付き合ってるの?」
「…えっ、」

ソフィの言葉を聞いたアスベルは動きを止めた。

「なんで、知って…」
「昨日、お茶持ってこうとしたら、聞こえちゃったの」

ごめんなさい、と言いながらソフィは悲しそうに目を反らした。

「…そうか、」

気まずい空気が流れる。
言わなきゃよかった、とか思ったけど、言ってよかったと思える言葉が一つ聞けた。

「でも、付き合うって言っても…何て言うか、今は様子見…みたいな?」
「様子見?」
「あぁ、」

俺の気持ちの整理が出来てないから、とアスベルは苦笑しつつ、空になった皿を流しに下げた。

「俺、そろそろ行くな」
「…あっ、うん、」

慌てて鞄を持ちながら、玄関に向かうアスベルをソフィは黙ってみていた。

「ごめん」
「もぅ、遅い!!」

(あぁ、そういうことか…)

いつもは一緒に投稿するのに、今日は違う。
玄関から聞こえたシェリアの声によって、アスベルが急いでいた理由がわかった。

「あっ、」

ふと、目に留まった鳩時計を見れば、それが家を出なくてはいけない時間を指していることに気付いた。






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