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□炉心融解
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君の首を閉める夢を見たんだ。
僕は怖くなった、
その白い喉が跳ねるのを見て。
泣きながら、手が震えながら、
涙で濡れた君の顔を見ていた…。
炉心融解
「…っ、」
まだ夜の帳が支配する中、リチャードは目を覚ました。
「…僕が、」
夢の中で起こったこと。
自分がアスベルの首を閉めていたこと。
「…アス、ベル、」
リチャードの隣で気持ち良さそうに寝息を立てるアスベル。
そんな彼の命を奪おうとする夢を見るなんて。
そっと、アスベルの頬に指を伸ばせば、ピクリと彼が反応する。
「リ…チャード…?」
うっすらと青空と夜空を映し出したような瞳を開く。
「ごめん、起こしてしまったかい」
そう言って彼の方を見れば、ふるふると首を横に振った。
「リチャード、」
アスベルは優しく名を呼び、そっと彼の頬に触れた。
すると、今度はリチャードがピクリと震えた。
「…泣いてたのか?」
そう指摘されて、目元を拭ってみれば指先には透明な雫がついていた。
「そうみたい、だね」
何だろ、と笑おうとすればするほど笑顔が崩れていく気がしていた。
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