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□だから
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「ちょっと!イクトといたって、どういうことか説明しなさいよ!!」
「ぅえっ!?えぇーと、その…実は…―」
イクトが行方不明になってから一週間が過ぎた。
心当たりを探しても見つからなくて、うたうに訊きに来たのだが
…つい、口がすべり少しの間同居していたことがバレてしまった。
「私がアンタのところ訪ねた時も、イクト、部屋にいたのね。」
「だから、仕方なくだってば!…なんか、体調よくなかったみたいだったし、放っておけないじゃん!」
慌てて補足説明をする。
が、うたうの表情は戻らない。
「放っておくなんて論外だから。それよりも、なんでアンタのところなのよ…」
少し寂しそうに俯いた。瞳がゆれているのがわかる。
どう言葉をかけたらいいのかわからず、迷っていると、うたうから先に口をひらいた。
「…で、なんでイクトはアンタのところから出ていったわけ?」
「それは…お母さんにイクトがいるのがバレて…これ以上は無理って…」
今度はあむが俯く。
「ふぅん…それで?」うたうがあむを真剣に見つめる。
「イクト、どこへいくとか何か言ってなかった?」
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