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□喧嘩
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「イクトなんか大キライ!どっか行っちゃえ、バカ猫っ!!」

手元にあった枕を思いっきり投げる。
イクトの横をすり抜け、バンッと窓へぶつかり落ちた。


「おいっ、あんま騒ぐとオマエの家族がくんぞ!?」
どうにも止められなくなり、さすがのイクトも慌てる。

「うっさい!イクトが出てけばいいじゃん!」今にも噛みついてやると言わんばかりに威嚇する。

「ちょっ…落ち着けって」

「出てけっ!!」
あむは手当たり次第に物を投げ出した。





―…事の始まりは、学校帰りのイクトを見掛けたことであった。問題は周りに同じ制服の女の子が複数いたこと。


あむは自分が子どもだということを、その時痛切に感じた。

色気どころかまだ恋愛自体が恥ずかしくて。イクトがスキンシップをしてきても、そんな雰囲気には到底なってくれない。


…だから


だから、普段は絶対しない、ない色気だしてキスしようと頑張ったのに、はぐらかされてしまった。もしかしたら気付いてさえもらえなかったのかもしれない…


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