密着!ストーカー警察24時
□真選組はただのバカの集まりか
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こんばんは、桂小太郎です。
ん?何故こんばんはなのかだと?そんなもの今は夜だからに決まっているだろう。夜の挨拶はこんばんは、だ。では何故こんな夜更けに俺が登場したかと言うと、実は刹那殿の頼みで下着泥棒を捕まえる為に志村家に潜入中だ。勿論、許可は取ってある。
「下着泥棒など侍として許せぬ」
犯人の目星はついている。恐らく犯人は真選組副長の土方だ。恐らくって言うか絶対土方だ。鬼の副長ともあろう者が、恋慕う相手の下着を盗み、挙げ句ストーカーと化すとは…日本の夜明けも近い。
「エリザベス。怪しい奴はいたか?」
〈いいえ、何処にも〉
「そうか。だが油断は禁物だ。奴は必ずやここに現れる。気を抜くなよ」
〈はい、桂さん〉
「しっ!誰か来たぞ」
やはり来たか土方め。待っていたぞ。ここにはお前の大好きなレース付きのパンツを各色取り揃えてある。好きな色を選ぶがよい。但し、刹那殿は一度も履いていない、俺が今日購入してきたばかりの新品のパンツだがな!!さぁ来い土方。貴様はここで俺に倒されるのだ。温もりのない新品のパンツを片手に握ったままな!
「………」
〈桂さん、アレって…〉
「言うなエリザベス」
何故あいつが下着を手に持っている。あ、今匂い嗅いだよ!今匂い嗅いでたよ!懐に閉まったよあいつ!……あの着流し、隻眼…何故あいつが…
「高杉…!何故あいつがパンツを…」
〈ガクガク…〉
厄介な奴が現れた。何故高杉がここにいる。何故高杉がパンツを片手に…はっ、まさかあいつ、刹那殿を狙って…いかん、このままではパンツよりも刹那殿の身に危険が、
「御用改めである、真選組だ!!」
真選組だと!?土方単独ではなく、組織をあげてパンツを堂々と盗みに来るとは…おのれなんたる下劣な奴だ!!
「来ると思ったぜ」
「わざわざ予告状を送ってくれるとは随分と親切な野郎じゃねーか」
予告状だと!?…………どういう意味だ、全く話が見えんぞ。……そうか!高杉の奴、真選組を誘き寄せてその隙に江戸を破壊するつもりか!!
「人質は取ってみるもんだねェ。一人で来るかと思いきや、真選組総出で来てくれるとは…有り難くて涙が出らァ」
「おーっと。そこから一歩たりとも動くなよ。テメーのその向こう側で俺の未来の嫁が可愛い寝顔で寝息をたててんだからな」
未来の嫁もなにも物凄い嫌われてるだろう貴様は。
「未来の嫁ねェ…仕事も恋愛も充実してるたァいい人生じゃねェか…リア充爆発しろ」
「お前が爆発しろ」
二人共爆発しろォォォッ!!高杉め、恐らく刹那殿を人質に取るつもりか。
「聞いたぜ、鬼の副長さんよォ…あんた、ここの家の長女に惚れてるんだって?聞けばここの長女、随分とイイ女らしいじゃねーか」
「だったらなんだ?拐ってテメーの女にでもするか?やめとけ、拐っても俺が取り返しに行くからよ」
「鬼の副長がストーカーになるくらいだ。余程イイ女なんだろなァ…一度お相手してもらいてェな…なァ土方」
「高杉テメェ…!」
「トシ、そう熱くなるな」
近藤が土方を制して前に出たか…ここは近藤が相手か。お手並み拝見といこうじゃないか。
「高杉よ…
確かに刹那ちゃんは可愛いが、お妙さんのほうがもっと可愛い。訂正して下さい!」
「…………あ?」
「オイ近藤さん、聞き捨てならねェぞ。刹那のが可愛いに決まってんだろ。訂正して下さい!」
「…………」
「いやお妙さんのほうが可愛い!」
「いや刹那のほうが可愛い」
「いやいやお妙さんだ」
「いやいやいや刹那だ」
「……はぁ…」
真選組はただのバカの集まりか
(高杉、貴様今頃気付いたのか)
「それよりも土方、お前ェこれがどうなってもいいのか?」
高杉が土方に見せたもの、それは
「あ、そうだ。高杉テメー刹那のパンツを脅しの道具に使うとはいい度胸じゃねーか。死にてーらしいな!その白レースがついた黒パンツ下さい」
「バカだろお前」
(下着泥棒の犯人は高杉ってことですかィ?)
(ククッ…白のすけすけ紐パンなら既に使命を果たしてタンスの奥深くで眠りについてるぜ)
(刹那のパンツでナニしやがったァァァッ!!)
(ナニに決まってまさァ)