密着!ストーカー警察24時

□会いにきちゃいました
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こんにちは、土方十四郎です。


「今日さぁ、お妙さんとデートする夢見た」


朝の稽古後の食堂で、近藤さんが幸せそうに言った。


「俺も見た。刹那とデートする夢」


超可愛かった。


「なにが?お妙さんが?」

「夢に出てきた刹那が」


あいつ、赤い顔して恥ずかしそうに笑ってさぁ、土方くん、とか俺を呼ぶの。もうそれだけでヤバい。抱き締めたね俺は。あいつの小さい体を。強く抱き締めたら、苦しいよ土方くん、とか更に照れてさぁ…これもうキスするしかねーだろ。見つめ合ってお互い顔寄せあったら、俺の唇に刃物的な冷たい感触がすんだよ。あれ?っと思って目ェ開けたら、


姉様に手を出すなと言ったでしょう?


「って、薙刀持ったお妙に邪魔された」


夢の内容を語ったら、食堂にいた隊士達が青い顔して口から味噌汁を溢していた。


「ぶっはっはっはっ!!」

「笑い事じゃねーよ。マジで怖かったから」

「刹那さんに近寄ると命はねーぞって警告でさァ。いい気味だぜィ」


総悟はどういう訳か刹那に懐いている。Sの標的とかそんなんじゃなくて、純粋に懐いている。刹那もそんな総悟を異様なまでに可愛がっている。俺はそれが気に入らねェ。そしてなにより気に入らねェのは、


「桂が目撃されましたぁああ!!」

「かぁーつぅらァァァッ!!」


指名手配犯の攘夷志士、桂小太郎。あいつの、刹那の、想い人。つまり、俺の恋敵。


「ふははは!幕府の犬共め!貴様らなんぞにこの俺が簡単に捕まる訳なかろう!」

「待ちやがれ桂ァァァッ!!」


俺は不思議でならねェ。コイツ、一体どうやって刹那を惚れさせやがったんだ!?是非ともそれを聞かせて欲しいもんだ。俺がなにしたってあいつは俺を見ねぇし、最近じゃ相手にもされねぇ。つーか最初から相手にされてねぇ。他に好きな男がいる女を好きになるなんて、ハナから不毛な恋だなんてわかりきってる。でも仕方ねぇだろ、惚れちまったんだから。


『あ、やっぱり桂さんだ』

「む、刹那殿ではないか。こんな所でなにを」

『朝から騒がしいから、桂さんかと思って、』







会いにきちゃいました
(その笑顔、まさに恋する乙女の顔)



「っ…」


桂に見せた刹那の照れた笑顔が、今朝の夢の刹那と重なる。桂を捕まえることも忘れて、俺はその笑顔に見入った。

胸がイタイ。


「そうか。だが今は鬼ごっこの最中なのでな。また後で会おう。バイビー」

『あ、桂さん!…行っちゃった。つれないなぁ、もうっ』


こっちのセリフだバカヤロー。なんで俺じゃねェ。なんで桂なんだよ。なんで俺じゃダメなんだよ。俺は、


「お前の昨日のパンツの色まで知ってるってのに…」




(一言余計でさァ。つーか桂逃がしちまってどうすんだよ死ね土方)
(…ちなみに昨日はピンクのレースだ)

ピラッ

(土方さん…あんたまさかそれ)
(使用済みだ)
(ドヤ顔で言うことじゃねぇやこの下着泥棒)

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