みじかいの

□ここ重要
1ページ/1ページ



世界には色々な宗教がある。キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、儒教や仏教。日本は仏教だろうか…いや、特定の宗派に入っていない人が多いだろう。そのような場合、鬼籍に入った後には浄土宗としてお経をあげてもらうのだ。日本とは不思議な国で、クリスマスも祝えば、結婚式を教会で挙げる。盆や正月には寺や神社へ訪れるし、最近はケルトのハロウィンも祝う。多神教の国とはいえ、宗教には寛大な部分もあるのだろう。そんな話を国木田さんとしていたら、ある男が平然と言った。


「私は空飛ぶスパゲッティモンスター教だよ」


平然と嘘を言い放った。


『太宰さんって自殺教か心中教じゃないんですか?』

「教祖は虹色のゾウリムシか?」

『御布施は裏山に生えてる毒キノコ』

「まぁ碌でもない宗教には違いない」

「証明写真を撮るときはザルを被るんだよ。そんな私を見て心中してくれる美女が見つかるといいなぁ」

『馬鹿だ』

「大馬鹿だ」


国木田さんと2人、呆れた顔をして溜め息を吐く。


「でも日本でキリスト教ってあんまり見掛けないよねぇ」

「日曜日に教会に行くと死ぬ程見れるぞ」

「心中してくれる美女、見つかるかも!?」

『キリスト教徒って基本自殺は禁止されてませんでしたっけ?』

「なーんだ。じゃ、行くのやーめた」


残念と言った様子で伏せたかと思ったら、太宰さんは目を輝かせながら私に顔を近付けてくる。


「刹那ちゃんは何教かな?」

『特にはないですけど…』


質問に答えながら太宰さんの顔を押しやる。


「そこで可愛く心中教ですって言わなきゃ!あーーッ!!可愛い!!食べちゃいたい!!」


そう言って飛び付いてくる太宰さんの顔面に1発グーパンを入れる。


「刹那、顔はやめておけ。ボディーにしろ、ボディーに」

『はーい』


国木田さんに叱られてしまった。


『国木田さんは信じてる宗教とかあります?』

「俺は宗教は信じない。唯一信ずるものがあるとすれば己の理想だ」


フゥ〜ッ!!格好いい♡やっぱり国木田さんは私の理想だ。うっとり見つめていると国木田さんは続けた。


「宗教は戦争が起こりやすい。唯一神が日本に定着しなかったのは宣教師達が布教の名のもとに奴隷売買を行い、秀吉の怒りを買ったせいでもある」

『日本はどちらかと言えば多神教ですしね。ギリシャもそうかな?』


宗教戦争の有名所と言えば…


『三十年戦争(1618)、ユグノー戦争(1562)、あとは島原の乱(1637)ですかね』

「百年戦争(1337)が抜けてるぞ。それに日本では一向一揆がそうだったりする」


一向一揆
浄土真宗本願寺教団(一向宗)の信徒達が起こした権力に対する抵抗運動(一揆)の総称。
1570年の石山合戦は、本願寺顕如が各大名家と連合して信長包囲網の中核となり、各地の門徒と連動し、約10年もの間織田家を苦しめた史上最大の一向一揆である。


「日本も大概だが、十字軍なんぞただの略奪だからな」

「ま、日本にはあまりないことだからねぇ」

『あ、私は国木田さん教です♡』





ここ重要
(って言ったのにテストに出ないとか)




「そうか…」


国木田さんは答えた。


「だが俺の手帖にお前とお付き合いするとは書いていない」

『振られたっ…!!』





(あーぁ、残念だったね)
(理想は理想ですよ!?現実見て下さい、国木田さーん、国木田さーん!!国き、)
(やかましいわぁッ!!)
(怒られた…)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ