みじかいの

□きみに溺れている
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俺は今、人生最大の難関に立ち向かおうとしている。


「高杉刹那ァァァッ!!」

『成実、いちごみるく』

「今日こそお前を俺の足下に跪かせて、」

『いちごみるく』

「すみません、今すぐ買ってきます」


伊達成実18歳。性格、女好きで軽い。特技、梵をからかうこと。喧嘩は強いと自負している。だって俺、所謂ヤンキーですし。高校卒業したら極道ですし。伊達組の三傑、武の成実なんて言われてるからね。なのにあの女は最高級の極上スマイルでこう言い放った。



伊達組の三傑、武の成実?あぁ、頭悪くて政治も経済も理解出来ないもんね



言い返せませんでした。そんな生意気な女は高杉刹那18歳。性格、ドS。特技は人を踏むこと。正直言ってかなり俺のタイプ。外見だけは、だけど。気の強い女は嫌いじゃないし、むしろそういう女程征服したくなる。普段偉そうにしていても実は俺なしじゃダメ、みたいな。高杉刹那も俺の予定ではそうなるはずだった。なのに…ッ!!あの女は今や俺を奴隷として扱っていて、ちょっと本当、泣きたいです。


「なんで俺が…」


自販機で高杉刹那ご所望のいちごみるくを買う。あいつ、ほんっといちごみるく好きだよな。毎日飲んでるじゃん。毎日いちごみるく買わされてるよ俺。たまにはメロンみるく、とか、バナナみるく、とかにすればいいのに…まぁバナナみるくなら飲ませてやるけどね、俺の(自主規制)


「そんなことをしたら命をなくすぞ」


ですよねー。振り向いたらそこにいたのは高杉刹那と同じクラスの毛利元就。


「相手が悪い。あやつはドSと鬼畜の申し子よ。貴様なぞに扱える女ではない」

「なっとくー…」


確かに、確かにそうだけど、仕方ないじゃん、どうしても俺に夢中にさせたいんだから。その為ならいちごみるくだって毎日献上するよ。…と、ここで毛利から爆弾発言が。


「無理だな」

「なんで?わかんねーじゃん」

「あやつ、Toshi●aよりイイ男はこの世に存在しないと言い切っておったわ」

「ちょっと待て、と●やって誰!?」

「刹那が数年追っかけ回してる男よ」

「高杉刹那ァァァッ!!」










「どーいうこと!?俺をこんなに夢中にさせておいて浮気!?毎日いちごみるく貢がせておいて飽きたらポイ捨てかこのクソ女ァァァッ!!」

『誰に向かって口聞いてんだ、ぁあ?』

「すみません、調子乗ってました」


生意気な口を聞くと頭を踏みつけられ、蔑んだ目で俺を見下ろしてくる。それでも気紛れに優しく笑いかけてくれたり、手を繋いでくれたりする。ドSで鬼畜でも、そんなたまの優しさに俺は一人どきどきさせられて…って、あれ?


「馬鹿めが…しっかり調教されておるわ」

「やっぱり?どうしてこうなった!?」

『惚れた弱味、でしょ?』


意地悪く笑ったきみに、俺の胸が高鳴った。


「キスさせて下さい」

『コンマ一秒だけね』








きみに溺れている
(こんなんでも俺達、付き合ってます)




(本命はToshi●aだけどね)
(二番でも三番でもいいよ。一緒にいられれば)
(…(本当は一番だって言えない))
 

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