誓った僕ら

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「だんだん、笑えなくなってきたよ」


莉子が呟く。
それもそのはずだ。
自分たちは、まだ、学生である。

…実際に戦ったことは、あまりない。



「はぁ……お前が落ち込んでどうすんだよ?」


「………………大樹…」


「そうよ!………幼馴染なんでしょ?」


楓は強く莉子の背中を叩いた。

普段は明るく振舞う莉子だが、本当は弱いところもある。







「大丈夫だよ……………みんないるじゃん。私たちなら、きっとできるよ。

私たち、みんなで、決めたじゃん」



まりはそういった。



そう、決めた。

あの日、私たちはそう決めた。





そうだ、

だから

それを


やり遂げなければならないのだ。


約束だから…





「そうだね……誓ったもんね…私ら…

ありがとう、まりも…」


莉子は笑顔で言った。



「でも、まりも……」


「何?」







「そのさりげなく逃げようとする態度………やめましょうか?」


にやりと笑った。




「えっ…なっなんのこと?」



「とぼけんな…」


頭をがしっと掴む悠太。









「朱里がいなくてもね……たいてい顔見ればわかるの…」


「あいだだだだだだ…!!…すみません!」








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