誓った僕ら

□番外編1
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莉「……暇なんだけど」







天井を見つめ、静かに呟いた。

それは夏の出来事だった。
夏休みであるにもかかわらず、莉子たち…風紀委員が学校に来ていた。
無論、来たくて来たわけじゃない。
むしろ帰らせてほしいくらいだ。




朱「暇だって言っても…………仕方ないじゃん、風紀委員だし」


莉「なんで生活委員使わないのさ!?……いっつも暇だ暇だ文句言ってるくせに、……こういう時こそ、あいつらが引き受ければいいのに!!!!」


内輪代わりに使っていた下敷きから、「バキッ」と音が聞こえた。





しかもそれは、悠太のだったり…




大「おめーら………何もしてねーのに、暇だって言うなよ!!!」




暑さのためにしばらく静かにしていた大樹が、ティッシュ箱を投げつけてきた。






莉「はぁ!?何もしてないって、どういうことだよ!!聞き捨てならないんだけど!!」



大「あぁ!?お前らこの一週間、ずっと此処で待機してるだけじゃねーか!!」


莉「何さ!待ってるのだってつらいの!!馬鹿にすんな大樹のくせに!!」


大「んだとぉ!?」







・・・・・・・・









朱「また…めんどくさい事を」





朱里はあきれたような目で大樹たちを見た。
日常茶飯事ではあるが、……本当に疲れる。


はっと気づく。









朱「……楓さ、なんで黙ってるのさ?」



いつもなら、あの面倒ごとを止めに入るか、参戦するかのどちらかをするはずの楓が妙に大人しかった。





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