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□月の涙 2
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一方、その後のカイは、ソレイユの家を出て町の広場に来ていた。
 「ふ〜ん。ソレイユがねぇ。」
 「ミレイ、君から聞いてみてくれないか?」
 カイと共に居るのは、ソレイユ同様にカイの幼なじみであるミレイだ。ミレイは、ソレイユの婚約者でもある。ミレイの言葉なら、もしかしたらソレイユも聞くかもしれないと考え、カイはこうしてミレイに会いに来たのだった。
 「私が聞いたって、同じだと思うけど。」
 「ミレイはソレイユのフィアンセだろう。だから、君の言葉なら聞くと思うんだ。」
 カイは、自分が思った通りの事を口にする。しかし、その言葉を聞いた途端に、ミレイの表情が変わっていった。。
 「フィアンセって言ったって、親が勝手に決めたことよ。関係ないわ。」
 「しかし…。」
 「そんなにソレイユが心配なら、後を付けるとかして、ずっとくっついてれば!!」
 そう言われても、なかなか諦める事のできないカイ。そんなカイに腹を立てたミレイは、一方的に怒鳴り散らした後、その場を走って去っていった。
 呆気にとられたカイは、その場に立ち尽くすのだった。
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