†お話し その1†

□ calmest time IR
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I LOVE YOU



口に出すと照れる言葉



I LOVE YOU



それは キミ



I LOVE YOU



永遠の愛







「りゅうちゃん!!あんまりはしゃぐと濡れちゃうよ!!」



波打ち際で仔犬のように走り回って
はしゃぐキミはとても愛らしい



「いのらんもおいでよ〜!!楽しいし気持ちいいよー!」



こんなに広い海の前で叫んでもよく通る声に感心するその声は楽しげで
自然と笑顔になる



「俺はいーの!!りゅうちゃん見てるだけで楽しいから!!」



俺の声はりゅうちゃんには届かない



「なーに!?聞こえないよー!!」



りゅうちゃんの声はすぐ傍に在るのに
キミは自然に魅入られ
俺は一人陸の上
そんなコトを考えていると切なさが込み上げてくる
堪らなくなってキミの傍
迄行って呼び戻す



「りゅうちゃん!!」



「なーに!?」



「あんまり遊んでると風邪引くよ!!」



「えー!!もう少しだけ!!」



そう言ってまた波と戯れるお互いの声は届きあっているのに
大きな自然が邪魔をして
距離が縮まらない
まるであの頃の自分達のように…



そんなコトをふと想いながらキミを眺めていると
遊びに飽きたのか
子供みたいな笑顔で駆け寄って来る
そんな姿はステージの上
では絶対に見せない
俺だけのキミ



「いーのらん〜♪」



そのまま勢いよく抱きついて俺は後ろに倒れそうになる



「うわっ!ちょっとりゅうちゃん危ないよ?おまけにびしょ濡れじゃん!!」



「ぇへへっ!濡れちゃった♪気持ち良かったからつい夢中になり過ぎたみたい♪」



そう言って笑うとすとんと砂浜に座り海を見つめる
俺もキミの隣に座り同じ
海を見つめる



「ねぇいのらん綺麗だね〜海が赤色♪」



沈む夕陽に照らされて
海が紅く染まる
寒くない?と問いかけ
上着を掛ける



「さっきまでは碧かったのにね〜それに一日一日が
全部違うんだもんね〜」



夕陽に染まったキミの顔はほんのり紅くドコか
儚げだ…



「そうだね…自然て大きいよね〜太刀打ちできないよ」



そう相槌を打つと俺の肩にもたれ掛かる
風に微ぐキミの髪から
少しだけ海の匂いがする



「なんかこうやって見てると〜自分達の存在って
ちっぽけだなぁって実感
するなぁ〜」



「りゅうちゃんも昔を思い出す?」



「うん…毎日を慌ただしく突っ走ってたなぁ…何を
急いでたんだろうって…」



あの頃を思い出し二人で
夕陽を見つめる



「でもね?あの時があったから今こうして二人で居られるでしょ?
そう思うと寂しい夕陽でも優しい気持ちに包まれてるみたいなんだよね〜」



「一人でみるとせつないけど二人で見れば幸せになる感じ?」



キミの髪を優しく撫でながら問い返す



「そう♪二人で過ごす時間が穏やかに流れてるなんて最高に幸せじゃない?」



微笑むキミに軽くキスをする



「りゅうちゃんが居なかったらこんな幸せな時間無かったかも…」



「それは同じだよ…(笑)」


クスッと笑う仕種もとても可愛らしい
言葉に出す代わりにぎゅっと肩を抱きよせる



「りゅうちゃん…」



「なに?」



「…愛してるよ…」



「僕も…愛してる…」



「俺を見失わないように
何度でも云うから」



「うん…いのらんも僕を」ずっと離さないでね…?」



沈む夕陽を背に見つめあいキスをする
世界が祝福してくれているように二人を照す



心に満ちた幸せが溢れ出すはるか遠くの未来に
向かって歩んで行こう
キミが俺を見失わないように愛を紡いで逝くよ
キミはずっと手を離さず
傍に居てくれればいい
永遠の愛を探しに行こう
ずっと二人で一緒に…








おわり

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