†お話し その1†

□それでも君がスキ IR
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「美味しそう〜♪」


リビングに差す明かりとりゅうちゃんの楽しげな声が聞こえ目が覚めた


タバコを手に取りリビングへ向かうと
ソファーに座りTVを見ているりゅうちゃんがいた


「りゅうちゃん来てたんだ?」


後ろから抱き締め頬に軽くキスをする


「あ、いのらん♪おはよう〜ごめんね?うるさかった?」


「…起こせば良かったのに」


「ん〜気持ち良さそうに眠ってたから寝かせといたの♪疲れとれた?」


そう言ってふわっと微笑む

りゅうちゃん可愛いなあ〜

「ん…少し…ありがと♪で、何観てんの?」


りゅうちゃんの横に座り柔らかい黒髪を撫でながらTVに目を向ける


「なんかね〜世界の料理を紹介する番組〜美味しそうだよね〜♪」


ほうっと料理に見惚れている
そんな顔も堪らなく可愛い俺もりゅうちゃんに見惚れていると
突然目を輝かせ俺を見る


「…ね…韓国とかだったら今からでも行けるよね?明日は二人でオフだし〜うん、十分帰って来れるし〜ね?」


せっかく二人の休みを一日中ベッドでまったりしたいなんて思っていたのに
貴重な日を何時間も移動で空の上なんてぜひ避けたい


「ダ〜メ!さっきまで俺の身体を心配してくれてたんじやないの?」


「だって行きたくなっちゃったんだもん…」


お願い?と甘えたように上目遣いで見つめる
そんな顔は欲情を煽ることにしかならないのに
このまま押し倒してしまいそうだ


「それに〜次の日からりゅうちゃんのスケジュールいっぱいでしょ?俺はりゅうちゃんの身体か心配ですから♪」


「いのらんの…ケチ…」


それでもまだ諦めてないのか潤んだ瞳でお願いされる
別のお願いをされているようでふっと湧いた欲望が高まる



「……俺は今りゅうちゃんを食べたいな………」


耳元で囁く声が押し寄せる欲情に掠れる
ビクっと震えるりゅうちゃんを合図に深く口付けた



「……んっ…っ…はぁっ…いのらんズルい…僕のお願い聞かないのに……自分だけなんて…」


キスの間に不満の言葉を口にする


「……じゃあ…止めよ」



「……ぁ………」



唇を離すと名残惜しそうな甘い吐息が漏れる
濡れた唇は紅く色づき妖しく光っている
潤んだ瞳には欲情の灯が灯り俺を見つめる
そんな顔されては誘っているようにしか思えない
止める気はないが苛めたくなってしまう


「…そうだよね〜りゅうちゃんのお願い聞かないのに俺だけってのはね〜ごめんね?」


りゅうちゃんの頬を撫でながら口角をあげて微笑みかける



「………………」



何を言いたいのか悟ったのか俯いてしまう
するとりゅうちゃん顔が
みるみるうちに耳まで真っ赤になる


可愛いなあ〜♪


なかなか言えずにいるりゅうちゃんに催促するように“ちゅっ”と頬にキスをする



「……っ…お…ねが…い………止め…なぃで…」


「それってりゅうちゃんのお願い♪?」


俯いたままコクッと頷く
幾度体を重ねても恥じらう姿に愛しさがこみ上げる


もう我慢の限界だな


「……了解♪…」


首から顎を指でなぞり顔を上げさせ激しく口付ける
舌を絡めとるとりゅうちゃんの甘い濡れた声が漏れる


「……っん……ふ……ぁっん………」



ゾクッと快感が身体中に駆け巡る
りゅうちゃんを優しく抱きしめ
そのままソファーに体を沈め欲情の波に身を委ねた






††††††††††††

乱れた髪を優しく掬うと
快感に微睡む瞳で見つめられる
もう一度とおねだりされるのかときたいする



「………明日……焼肉…」

「…」


抱かれている間ずっと考えていた訳じゃないだろうか?という思いを打ち消し
答える変わりに抱きしめる


「……旅行は…お願いじゃなくて…約束だからね♪」

ニコッと優しく微笑む


有無を言わせない笑顔に
食べ物の恨みは恐ろしいと実感した





そんなりゅうちゃんも好きだけどね♪




おわり

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