†お話し その1†

□ 此から君と IR
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最近りゅうちゃんと杉ちゃんの仲が良い…


今も音源チェックしている杉ちゃんの横に座り楽しそうにしている
表情がコロコロ変わり見ていて飽きない
そんなりゅうちゃんに杉ちゃんも優しく微笑み返している


なに話してんだろ?


気になって眺めているとりゅうちゃんと視線があった

ふわっと花が咲いた様にニコっと微笑まれ
その顏にドキッとする
そしてまた杉ちゃんへと視線を戻す


可愛いなあ…


「何ニヤけてんだよ?」


「……別に〜」


潤がベースを片手にどかっと俺の横に座る


「ねぇ潤…あの二人って付き合ってんのかな?」


「はぃっ?」


「深い意味はないんだケド〜あの二人って最近ベッタリじゃん?」


「…深い意味ね〜」


といってりゅうちゃんを見てから俺を見る


「…イノ…お前って実はバカ?」


「何それ?…まぁバカな質問だとは思うけど」


「…いやそうじゃなくて…気付いてねぇの?…」


「…何が?」


「…いいや…悪ぃ何でもねぇ!!まぁあの二人はただ仲良いってだけじゃねぇの?」


そうなのか?


楽しく談笑する二人を見詰める
りゅうちゃんは思ってなくても杉ちゃんは違うだろ?




††††††††††††


「杉ちゃん…ちょっといい?」


りゅうちゃんが歌入れに向かったのを見計らって
真相を聞き出そうと杉ちゃんの前座る


「どうした?」


「最近りゅうちゃんと仲良いね?」


「そうかあ?」


「付き合ってんの?」


パソコンのキーボードを打つ手を止めすっと視線を移す


「…気になる?」


といってニコッと笑う
りゅうちゃんの笑顔は可愛いけど杉ちゃんの笑みは
綺麗の二文字が似合う


「…というかぁ…もしそうなら応援しなくちゃいけないかなって」


「ふーん…応援ねぇ〜。それでいいワケ?」


「それでいいって…杉ちゃんりゅうのコト好きなんでしょ?」


暫くの沈黙の後杉ちゃんが口を開く


「…好きだけど?(犬みたいで♪)」


やっぱり…


「そっか…その…りゅうちゃんも…」


「さぁ〜?それは本人に聞いてみたら?」


それが出来ればこんな聞いて回る様な事はしないと思う


「ぁあ〜あれだ♪怖くて好きな奴には面と向かって聞けないってヤツか〜」


クスっと笑われた


え?あれ?バレてる?


「ぷっ!何驚いたか顔シテんの?気付かないとでも思ってた?バレバレだって!!まぁもぅ一人同じヤツがいるけど」


「もぅ一人?…と、とにかく好きとか…そーゆーんじゃなくて…!」


この気持ちがバレバレだったと知って恥ずかしさのあまりつい言葉が出てしまった


「あ、りゅう…」


「え?」


振り向くとブースから出てきたりゅうがいた


「えっと…あの…の、飲み物買ってくるね!!」


そう言って部屋を出てしまった


「あ〜あ、あれは完っ全に誤解したな…飲み物なんか部屋にあるのにね〜」


…誤解って?俺の言葉で?


「お前ってホント鈍いね〜ウジウジしてないで告白してきたら?早くしないと百年の恋も冷めちゃうよ?」


慌てて部屋を飛び出した


††††††††††††


「りゅうちゃん!!」


自販機の前にいるりゅうちゃんを見つけると傍に駆け寄った


「いのらんてばそんなに慌ててどうしたの?」


「あ、あのさ…ハアっハア…」


息が切れてうまく話せないでいるとハニカんだ笑顔でジュースを差し出してくれる


「…飲む?」


「ありがと…あのさ…さっきのコトなんだけど」


「…別に気にしてないよ?」


そう言って寂しそうに笑う


そんな顔するのは俺のコトを想ってたから?
杉ちゃんが言ったもう一人って…


俺自惚れてもいいのかな?


「りゅうちゃん…」


「な〜に?」


「…好きだよ」


「…………」


そう告げると瞳には涙を浮かべ
俺の好きな笑顔を見せて抱き付いてくる


「…嬉しい…僕も…いのらんが大好き!!」


渇いていた心がりゅうちゃんで満たされていくよ…
愛しさが溢れぎゅうっと抱き締める


やっと手に入れた…もう離す気なんてないからね?
これから進む道は二人一緒だよ?

いつまでも…いつまでも…


心のなかで誓い花びらの様な唇にそっと口づける


君とする初めてのキスは
オレンジの味がした…





おわり
 

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