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□黄瀬
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日高っち日高っちとうるさい黄瀬を引っ付かせながら、オレは日常を過ごしていた。

「無視しないでほしいっス!」
「ひっつき虫は無視無視〜」
「何スかそれダジャレ?つまんないっスよ」
「だまれひっつきコアラ。つかいつまで抱きしめてんの。いい加減暑い。弁当食いづらい」
「ひっつきコアラだから離れないっス!!あー、日高っちってば抱きしめるのにちょーど良いフィット感なんスよねぇ」
「オレがちっこいって意味か」
「違うっスよ〜。なんつーの?身体に馴染むっていうか、安心するっていうか……そーいや、日高っちって良い匂いするよね。何の香水使ってるんスか?」
「は?」
使ってないけど、んなもん。

「この匂い、落ち着く〜〜」
肩に乗せられていた頭が離れて、うなじにスリッと鼻筋が当たった。
「っ!」
「ねー、教えてよ。オレもお揃いの匂いにしたい!」

高い鼻梁がうなじから上がってきて、耳の後ろにたどりついた。
「な、にして……」
「えー?日高っちの香りを堪能中」
語尾にハートがつきそうなほど甘い声を出す黄瀬にめまいがした。
くんくんと嗅がれているのがわかって、恥ずかしくてたまらなくなる。
「や、やめろってば」
「日高っちが何の香水つけてるか教えてくれるまで離さないっス!」
ぎゅっと拘束を強められる。
そんなこと言われても……。
「とっ、とりあえず顔をどけろ。そしたら答える!」
とっさに出てしまった言葉に後悔した。
これじゃあ本当に香水を使ってるみたいじゃんか。

「ちぇ〜!せっかく日高っちの匂い満喫してたのに」
へ、変態っぽいぞそのセリフ!

とりあえず通常の抱きしめ方に戻ったことに安心する。
よし、と一息ついて弁当を食べるのを再開した。

「えぇっ!?教えてくんないんスかぁ!?」
「すぐ教えるなんて言ってないし。とりあえず、弁当の後な」
モグモグとおかずを咀嚼しながら、答えを教えるまではこのままの体勢でいられるしなと、黄瀬に気づかれないように唇をあげたのだった。


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この後は、なかなか教えてあげなくて、付き合ってればうなじ舐められからの美味しくいただかれちゃうパターンも良い。
付き合ってなかったらきーちゃんは匂いフェチに目覚めるパターンも良い。
黄瀬くんがキセキの中で一番書きやすいです。
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