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□翔
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俺は寒がりだ。人より少し体温が低いというのもあるし、運動も嫌いだから熱が生まれないんだと思う。
そんな俺が今ハマってるのは、翔だ。
翔は運動好きだし体温が高めらしく、触るとあったかい。
俺の手が冷たいから触るとびくっと反応するところがさらにかわいい。


「しょーおー」
二人きりの部屋で音楽雑誌を読んでいた翔に後ろから抱きついて、翔の服をまくって腹にぴたりと手をつける。
「ひぃっ!」
冷たさにびくりと震えて、次に文句が飛び出してくる。

「だーかーらー!いきなりすんなって言ってんだろ!」
「翔があったかいのが悪い。翔がびくってするのが可愛いから悪い」
「可愛いっていうな!」
「翔は人間湯たんぽだからな〜。もうマジ離したくない。むり。俺凍え死ぬ」

ぎゅうっと手の力を込めて抱きしめる。
しかもなんか翔っていい匂いするしな。
ふあー、幸せすぎる。

くんくんと匂いをかいでちゅっとうなじにキスを落とす。

「あー、ずっとこうしていたい」
さわさわと手を動かすと腕をつねられた。
「いたっ!もー、翔冷たい」
翔がこういう甘い雰囲気に慣れていないことは知っていた。
自分から甘えることもできないし、嫌じゃないのに嫌と言ってしまうことがあることも。




「……だろ」
「ん?何て言った?」
「どうせ夏になったら暑いからってやんないくせに」
顔は真っ赤なのに、悲しそうに目を伏せて唇を噛んでいた。

「かーわい」
俺はふふっと笑ってしまった。
「わ、笑うんじゃねえっ!俺は真剣に……」
「冬に翔が寒いの我慢して俺を温めてくれてるんだから、夏は俺が翔を冷ましてあげるよ。だから、翔から抱きついてほしい」
たまには翔も欲しがってるんだって思いたいから。
そう耳元で囁くと、翔は俺の腕をきゅっと握った。
「き、気が向いたら……」
「楽しみにしてよーっと」
「し、しなくていい!」
「翔、大好き」



にこにこと笑う俺に翔も観念したのか、俺の方に振り向いて、「ばーか」と言ってキスをしてくれた。




(しょ、翔!?)
(べ、別に、抱きつかれんの嫌じゃないからな!突然なのがびっくりするだけで、その……)
(翔!)


>>>
ツンデレでも素直な甘えたちゃんでも翔ちゃんならオイシイとわかった!
でも私は素直な甘えたちゃんが好きだぜ!

お相手が翔ちゃんの場合は、主人公は受がいいのか攻がいいのか……。悩みます。
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