zz

□音也
4ページ/6ページ

「眠いよー」
「千晴ってば、昨日も徹夜で作曲してたんだろ?もう、いいかげん体こわすよ?」
「だから今日は徹夜しないの。やばい、風呂入ったらもっと眠くなったぁ」

リビングのソファに丸くなった千晴を見て、いよいよ寝てしまいそうだと音也は慌てた。
「千晴!寝るならベッド!」
「音也に任せたー」
以前もこんな風に千晴が眠ってしまい、お姫様だっこで千晴をベッドに運んだことがあった。
お姫様だっこを男が男にされるなんて気持ち悪いと嫌がっていた千晴だったけれど、半覚醒状態で人の体温にくるまれてふわふわ移動する感覚がなかなか悪くないことに気づいたようだ。ねだられるまま音也はもう何度か千晴を運んでいた。

「俺がもうちょっと筋肉ついたら、音也にもやってあげるからな!」
「お、俺?俺はいいかな……恥ずかしいし。それに、俺が千晴をだっこした方が、絵面としても良いと思うけど」
「それは俺が女っぽいってことかよ?」
「いや、そういうんじゃないよ!と、とにかく、寝るならベッドで寝なよ?」
「音也は一緒に寝てくんないの?」
「えっ?」

綺麗な瞳が下から音也を覗き込む。
こんなことを無意識にやっているとしたら、女よりたちが悪いと音也は思った。
「俺が一緒に寝るなら、千晴は自分でベッド行く?」
「うん」
頷いた千晴に、良い子、と額に口づける。

「じゃあ俺歯磨きしたらベッド行くね」
千晴は音也の言葉に素直に頷いて、寝室へ向かった。




「千晴ー?もう寝ちゃった?」
ベッドに近づいてそう問うと、千晴は無言で音也をベッドに引っ張り込んだ。
「音也、あったかぁーい」
「千晴もいつよりあったかいよ」
手と足の両方でぎゅっと音也の身体に巻き付いた千晴。音也も手を千晴の背中に回した。

「千晴って抱き心地いいよね、なんか幸せ」
「俺は音也の身体があったかくて幸せだよ」
「じゃあ俺たちずっと幸せだ」

「あ、でもベッドまで音也が連れて行ってくれたらもっと幸せかな」
「えー?じゃあ、千晴からもっとたくさんキスしてくれたら、俺は幸せ」
「なら、音也がもっと料理うまくなってくれたら幸せ」
「うーんと、じゃあ……」


二人でいくつも言い合いながら、ひとつになった体温の心地よさにゆっくりとまぶたを下ろした。

>>>
相変わらず短くて寝オチで申し訳ない。
音也は体温高いといいな!
誕生日用の話じゃないけど、ついでにアップ(笑)
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ