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□真澄
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「ちょっ!?ストップ、まって」
吐精の余韻をも引かせる行為に待ったをかけるが、真澄はもう止まれる訳がなかった。
くにくにと肚の中で蠢く指にビリビリと身体を震わせる。
もう一度ストップを掛けようとしたが、察した真澄に唇を塞がれてしまった。
そしてまた舌を絡められ、混乱しているうちにされるがままになってしまう。
気づけば指が二本、三本と増えていて、さすがに苦しくて千晴が唸ると唇がようやく離された。

「っ、はぁ、ますみく、」
「気持ち悪い?萎えてる」
「ん、何か、変な感じ……」
異物感はどうしても拭えず、眉を顰める千晴を見る真澄も自分のことのように辛そうだ。
「ごめん、でも、やめてやれない」
「……わかった」
真澄は千晴を気持ちよくするばかりで、自分のは一度も触っていない。
きっと張り詰めて痛いはずだ。それなのに、千晴と繋がりたいからと我慢している。
そこまでされればもう止める気も起きず、千晴は萎えた自分のそれに手をかけた。
「千晴さん?」
「前立腺、って調べた?」
「調べた。男が気持ちよくなれる場所」
「そう、大体どの辺りにあるかは知ってる?」
「あ、確か、この辺……」
真澄の愛撫に合わせるように、千晴は自分の手をゆるゆると動かす。
あちこちを擦る真澄の指を、きちんと気持ちの良いものと認識するための場所。
内壁を引っ掻く指先が真澄の物だと思えば、背徳のあまりに心が震える。
そして時を置かずして、真澄はしこりを探り当てた。

「あっ!?」
「ここ、コリコリしてる」
「あっ、そこ、それっ、アぁっ」
びくびくと全身をのたうたせた千晴の反応に真澄は驚いた。
「……前立腺?」
恐る恐る問えば、千晴はコクコクと頷く。
「ここを触れば千晴さんのこと気持ちよくできる?」
「ひッ、ンん」
ぎゅっと真澄の指を食い締めるのが良い証拠だ。
真澄は長い指を遺憾なく発揮し、その部分を徹底的に擦った。
千晴が足をガクガクと揺らしても、もう駄目と鼻に掛かった声で懇願しても、真澄はやめなかった。

「俺の手で乱れてる千晴さん、やばい。エロい」
「やっ、も、わかった、から、」
直接すぎる快感に脳が考えることを拒否しているらしい。
千晴は意味の無い母音を撒き散らして、ハクハクと酸素を求めた。

「も、挿れて、いい」
獲物を狩る獣の目がこれ以上我慢できないと告げている。
千晴のその言葉を聞いて、真澄は弾かれるように上体を跳ね上げた。
おせっかい組に渡されたのであろう、ベッドに放りだしていたスキンの包装を破り、手早く身に纏う。
「着けるの早いね……」
「千晴さんを抱く時に手間取らないように、いっぱい練習した」
「そ、そっか」
ぼんやりした頭のまま出た言葉に思いも寄らない返事が来て、千晴はつい照れてしまう。
練習したのか、そうか。
つまり真澄は千晴との行為を現実的な未来として捉えていたという訳だ。
うわぁ、どうしようと考える千晴に、再び真澄はのし掛かった。
「良い?」
「……うん」
一度大きく深呼吸をして、真澄を受け入れる。
当たり前だがすんなり入るはずも無く、何度か止まりながらも、どうにか全容を腹の中に収めることができた。

「はぁ……、ふぅ」
「苦しい?」
「ん、だいじょ、ぶ。あ、でもまだ動かな、いで」
「千晴さんのナカに入ってる……。ねえ、これ現実?もしかして夢?」
「夢だったら多分もっとすんなり入ってるかな」
「じゃあ、現実だ……。俺、本当に千晴さんとセックスしてる……。嬉しい、諦めるつもりなんて無かったけど、叶うと嬉しい」
真澄の瞳には涙が膜を張ってキラキラと反射していた。
ひと周りくらい離れている男の固い身体にここまで感激してくれるとは。
募る愛しさが爆発して、真澄の頭をそっと腕に抱き入れた。

「諦めないでいてくれて、ありがとう」
「っ、」
じわりと更に水気を増した瞳に唇を寄せて、意を決して囁いた。
「動いて、いいよ」
「良いの?」
「ん……でも、ゆっくりがいい」
「わかった」
千晴のお願い通りにゆっくりと腰を引いた真澄が、千晴の様子を見ながらまた肉壁を押し入ってくる。
何度かその動きをするうちに、じわじわと身体の緊張が解れていくような気になって、千晴は大きく息を吐いた。

「ね、キス」
真澄の甘えた声の直後に唇を塞がれる。
弾力のある唇を堪能しながらも、真澄は腰を止めなかった。
先ほど千晴が反応したしこりを探しながら、ゆるりゆるりと注挿を進める。

「んん……む」
気持ち良さそうに鼻にかかった声で真澄のキスと律動を受け入れていた千晴は、突然びくりと背中をしならせた。
「んぅっ!?」
何かに引っかかったような感触がして、同じ場所を屹立で押し潰した。
「んーッ、ふぁ、あ、ンんっ」
びくびく震えるのと一緒に繋がっている場所がきゅんきゅんと真澄を締め付けて、真澄は初めての蠕動に酔いしれる。
「なに、これ……すご、」
「やっ、そこ、」
眉根を寄せながら千晴は首を振る。

「ダメ?でもここ、前立腺でしょ」
気持ちいいんだろうと真澄が潜めた声で言えば、意図しない言葉攻めに目の前がホワイトアウトした。
チカチカと眩しいくらいの意識に呑み込まれそうになって、思わず身震いする。
「ちがわない、けど、そこばっかりしたら、やだ」
敏感な場所すぎて快楽をあまりにそのまま拾ってしまう。
ここだけをゴリゴリと攻められては、うまく気持ち良さに溶け込めない。

「どうすればいい?」
千晴に快感だけを与えたい真澄は、素直に千晴の希望を聞いてくる。
こういう雰囲気を察するには真澄はまだ経験が足りなすぎる。
そうだ、初めてなんだ。真澄の童貞というワードが頭を過ぎり、千晴は顔が熱くなるのを止められない。

おれが奪ってるのか、真澄くんの童貞。

文字化するとあまりに衝撃的で、千晴はいっそもう気絶したい気分になった。
それでも目の前の恋人は一生懸命自分を気持ちよくさせようとしてくれていて、勝手に気絶する訳にもいかない。

「キスとか、胸とか、ココとか……他の所も触って、ください」
あまりの羞恥に敬語になりつつ、恥を忍んで希望を伝えた。
「全部触って、気持ちよくしていいってこと?」
「ん……真澄くんの好きにして、いいよ。痛かったら言うから」
千晴の言葉に、真澄はゴクリと喉を鳴らした。
その生々しい音を千晴の鼓膜が拾ってしまい、こちらも喉が干上がる心地がした。
どこを触られるのだろうと期待が膨らんで、千晴は真澄の挙動を目で追う。

真澄はふっくりと膨らんだ千晴の胸の尖りをぺろりと舐めた。
「ふぁぁ、んっ」
大きな期待に感度が高まったのだろう、真澄の舌が千晴のそこに触れただけで、千晴は甘ったるい声を上げた。
「なに、今の声。可愛い」
ギラギラと獣の瞳で真澄に射抜かれ、食らい尽くすようにべろべろと舐められ、吸い付かれた。
教えてもいないのに、賢い真澄は千晴の反応からすぐに学習して、尖りを甘噛みして千晴から甘えた声を引き出してみせた。
「ひ、んゃ、」
雫を垂らす千晴の屹立を巧みな指使いで愛撫し、後ろへの違和感を無くしながらも律動を再開させた。

「あっ、も、そんなに色々したら、ワケわかんな……っ」
自分で言ったくせに、真澄がすぐに応用して責めてくるとは思わなかったから油断していた。
器用に注挿を続けながら胸も欲望も一緒くたに刺激され、全てを攻めたてられれば、千晴が髪を振り乱すのも当たり前だ。
前のくびれた部分をこすこすと擦られ、同じように腰も奥やらしこりやらを穿ってくる。
千晴は喘ぐだけで精一杯だ。

「あ、ます、ますみっ」
「千晴に呼び捨てされるの最高……」
真澄も呼び捨てになっているのだが、千晴は気づかない。
寄せては返す快感の波がどんどん膨れていって、もう目の前まで来ている予感があった。
ざわざわとうなじの産毛が総毛立って、千晴は瞳孔を開いたまま真澄に縋り付く。

「や、もぉ、イく、」
真澄を苛む蠕動にもどんどんと絞られていって、動きづらいなかで、真澄はラストスパートとばかりに腰を押し進めた。
「あっあっあっ、やぁ、アぁっ」
水気を含む律動の最中、ダメ押しといわんばかりに真澄が千晴の中を抉った。
クッと千晴が息を呑んで、その瞬間すさまじいうねりに呑み込まれていった。

「っ、あァぁぁぁっ、!」
「千晴、千晴っ、好き、っ」
びゅるっと勢い良く千晴が吐精する。
真澄は千晴を逃さないように千晴の肩を引き寄せて、気持ちの良い坩堝をさらに攻め立てた。
「ンあっ!や、出てるっ、出てるからぁっ」
「っ、俺も出すっ」
いやらしい腰つきで千晴の尻に恥骨を押し付け、真澄も精を放った。


くったりとベッドに沈んでいる千晴は、腹に自分の出した精をまとわせ、胸やら何やらに真澄の陵辱の痕が見て取れた。
あまりの痴態に真澄はグンと自身がまた熱を持ったのに気づく。
まだ繋がっているから当然千晴にもその動きはわかって、さすがに二回目は無理だと告げた。
「ダメ、だから」
「千晴……どうしても?」
「どうし、んむっ」
否を言わせないように唇を塞がれ、甘く舌を愛撫される。
「俺の誕生日なのに」
「うっ……で、でもダメ」
「初めてのセックスなのに?」
「だったら尚更、」
「千晴……好き。愛してる」
とろりと蕩けた笑みで、真澄がアプローチを変えて千晴を絆そうとしてくる。
「ねぇ、千晴は俺のこと好き?」
「好きだよ、好きだけど」
「俺も大好き。世界中の誰より愛してる。今死んでも良いくらい、幸せ」
ちゅ、と鼻先に唇が触れた。
本当に今まで恋人が居たことが無いのかと疑ってしまう程に完璧な甘え方だ。
耳朶を甘噛みされて、驚いて軽く千晴が喘げば、真澄は気を良くしてまた律動を開始しようとする。
慌ててストップを掛けるも、真澄に押し切られるのは時間の問題だった。


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真澄くんお誕生日おめでとう!!!
ゲーム内でも時間が進んで進学していたので吃驚しました。

どうでもいいですが、「真澄の童貞」というワードに一人で萌えております。
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