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□西
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「ハル〜、今日の夜………って、何しとんのハル!」
「ちょっ、アントーニョ、しぃーっ!ロヴィーノが起きちゃうでしょ」

しっ!と唇に指を当てるハルはかわええな……って、ちゃう!
「ハル、ロヴィーノのが好きなん!?」
「もう、何でそうなるの」
「ロヴィーノにキスしとったやないか!浮気やぁー!」
「浮気ってねぇ……おでこにキスしただけじゃない。ただの親愛の情よ」

騒ぐ俺にハルは呆れてため息吐きよるし。
「まだロヴィーノが小さかった時、毎日こうしてたでしょ?」
「それとこれとは大違いや!ロヴィーノはもうちっちゃない、ちゃんとした男やで!」
俺やない男にキスなんて、いくらおでこでも嫌や!

「そんなこと言ってたら挨拶のキスだってできないわ。第一、アントーニョはロヴィーノにキスしてるのに私がダメなのが理解できない」
「俺の中ではロヴィはいつまでもかわええ子分やから、ええの」
「えー!そういうなら私だってロヴィーノの姉貴分よ」

イヤイヤする俺に、ハルは膨れていたが、次第にそれは苦笑に変わっていった。
シエスタしとるロヴィーノの隣から、こっちのソファにやって来たハルの腰を抱いて、座った。
ハルも俺に寄りかかるようにソファに座る。


「ばかね、そんな嫉妬しなくても私はアントーニョが一番好きなのに」
「好きだから嫉妬すんねん」
「ふふっ、はいはい」
「ハルももっと嫉妬してええで?」
「(私が大好きすぎて、めったに女の子に話しかけないくせに、嫉妬も何もないわ)」

「ハル?」
「私だって嫉妬するわよ」
「ほんま!?」
俺があまりにも期待に満ちた顔をしたせいか、ハルはぷっと吹き出した。

「アントーニョはロヴィーノが来るといっつもロヴィーノばっかり構うから、寂しいんだからね?」
「それって嫉妬って言えるん?」
「言えるわよっ!二人の仲には入り込めないなっていつも思うもん」

拗ねたハルもかわええんやけど、俺はハルがそんなこと思ってるとはつゆ知らず、他の男に嫉妬してばっかりやったな、と反省した。



「ほんまにハルんこと、いっちゃん大事でいっちゃん愛しとるからな!」
これからもずーっとずーっと好きや!と抱き締める腕に力を込めて、腕の中の大切な宝物に熱〜いキスをした。



(俺らお互いが恋人バカやから、バカップルやね!)

(このやろー、俺の前でいちゃつくなバカップルめ!)

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一番の被害者はロヴィです(笑)
アントーニョはヤキモチ焼きさんだと萌えます!
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