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□北伊
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※枢軸っぽいけど一応お相手はフェリちゃんです!
※恥じらいのない大和撫子で申し訳ないです……!
※独・伊に挟まれていたい方のみどうぞ



「ハルーハルー!もう寝る時間だよー!」
「あら、もうそんな時間ですか」
「ベッドにゴー!であります!」
「その前に、歯を磨きませんと」
「きっちり10分は磨くように!」
「ヴェー、そんなに磨いたら歯がなくなっちゃうよ〜」
「そんなわけがないだろう!」

いつもの如く仲睦まじい私たちは歯を磨いてベッドに向かった。
何故だか同じ寝台で3人で寝ることになっていて、そして何故だか真ん中は私だ。
フェリシアーノさんに抱きつかれて眠ることにももう慣れてしまった。さすがに裸は困るので、拝み倒してシャツとズボンは穿いてもらっている。
「おやすみ〜」
「おやすみなさい」
「良い夢を」

就寝の挨拶をして、目を瞑る。
抱きついてくるフェリシアーノさんの体温をしばらく感じてうとうとしていると、不意にフェリシアーノさんが動いた。
意識が夢と現実の間を行き来しているときは、そんな変化にビクリと身体が反応してしまうものだ。
その反応に何を思ったのか、フェリシアーノさんは私の頭を撫でた。

恋人に頭を撫でられることがとても気持ちのいいことだと知ったのは、フェリシアーノさんのおかげだ。
それにまた安心して息を吐くと、額に柔らかい感触が当たった。
その正体に気付く前にそれは瞼へと下がる。そして頬へ。
意識が現実に戻った私が、それでもボンヤリとした頭でうっすらと目を開くと、フェリシアーノさんの顔が私の目の前にあった。

「?……ふぇりしあーの、さん?」
どうかしたんですか?と問おうとした声は遮られてしまった。
「ん……」
唇と唇が触れ合っていて、でもそれにもう驚いて顔を真っ赤にすることは少なくなった。
なにせ、この人は暇さえあればスキンシップだといって私の身体に触れてくるのだ。
もちろん恋人なのだから口づけや抱擁は受け止めるべきである。
口づけをしたあとのフェリシアーノさんの嬉しそうな顔が、私は大好きなのだ。

「へへ、ハル〜」
「どうしました?」
「ハル大好きだ〜」
「私もですよ、フェリシアーノさん」
「ほんと?」
「ええ、本当です」
「じゃ、もっとキスしていいよね〜」

にこにこと笑うフェリシアーノさんに弱いことはもうバレている。
このくらいのキスならばまあいいかと頷けば、それは突如深くなった。

「んぅっ?」
唇のあわいを舌先で撫でられ、予想外のことに驚いた私はつい唇を開いてしまった。
しめたとばかりに舌を伸ばしてきたフェリシアーノさんのそれは、すぐに私を捕まえてしまう。
「ん、ふ……っぅん」
まさか、とハルは目を瞠る。挨拶のような口づけや、フェリシアーノさんが不意打ちにしてくる口づけは他の人に見られることには慣れた。
本当はとってもとっても恥ずかしいけれど、フェリシアーノさんがこのくらいの口づけを人前ですることは普通のことだとおっしゃるので、どうにか我慢しているのだ。
しかし、これは話が違いすぎる。いくら寝ているとはいえ、ルートさんが真横に居るのだ。恋人の口づけは、二人きりの時だけだと約束したはずなのに。


「ちょ、待って下さ、フェリシアーノさっ、んっ、んむ……る、るーとさんが、ふぁっ」
「うん。ルート寝てるから、しー」
唇に指先を当てられて、静かにとジェスチャーされた。状況についていけずに目を白黒させる私に、悪戯っぽく笑うフェリシアーノさんは、また顔を近づけてくる。
「ふぇ、ふぇりし……!ま、まってくだ……んんっ」
「だいじょうぶだよ〜。俺たちが仲悪いより、仲良い方がルートも嬉しいでしょ?それともオレとキスしたくない?」
そのよくわからない理屈に眉をひそめるけれど、手慣れたフェリシアーノさんの口づけに魅了されてしまう。
「そういうことでは……んっ、もう……」

何度も交わす口づけ。もう何も考えられない。
困った方だな、と思いながらも背中に手をまわしてしまうのは仕方ないのかもしれない。

ルートさんを起こさないように声を潜めながら、私たちは時間を忘れて口づけていた。




(あー……これはフェリシアーノを一から教育しなければならないな。しかし、寝返りも打てないのは辛い……)

>>>
やっちゃった感満載でお届けしました。
もしフェリちゃんがルートの立場だったら、間違いなく「ルートばっかりずるいー!オレもハルとキスするー!!」と言いそうで、またそれもきゅんきゅんするなーと妄想しながら書きました。
枢軸サンドもおいしいですね。すみません。猛烈に主人公ちゃんを挟みたいんです!ぎゅっと!
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