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□うたぷり
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※よくわからんギャグです。翔ちゃんが女装してます。
私は決して、同性愛者という訳ではない。だからといって、同性愛者を非難しているわけでもない。
私は決して、女装癖のある男の子が好きだというわけではない。だからといって、女装癖のある男の子を非難しているわけではない。
寧ろ推奨派なんです。
女装癖のある男の子を好きなわけじゃないんです。好きな男の子がたまたま女装が似合うだけなんです。
「ああっ、今日も翔ちゃん可愛いよーーーっ!!ねえ、翔子ちゃんにはいつ会えるの!?」
「俺は可愛くなんかねぇっ!翔子なんてヤツもいねえよ!」
ちっちゃい翔ちゃんは私に噛み付くように反論した。
「良いんだよ別に、私には隠さなくたって!翔ちゃんがいくら女装癖を隠そうとしても、その可愛さは隠せるものじゃないから!」
「だ〜か〜らぁ〜!!誰が女装癖があるって!?」
「翔ちゃん!」
「ちげぇぇぇぇぇぇぇ!」
ちっちゃい翔ちゃんは、ちっちゃい身体の底からあらん限りの声で否定した。
「女装癖がある男ってのはなぁ……あいつのことだっ!」
ビシィッ!と指差した先には、なっちゃん。
「しょーうーちゃーん!」
「あ、なっちゃ〜ん。こっちこっち〜」
「春ちゃんじゃないですかぁ。今日も可愛いですねぇ」
なっちゃんの社交辞令は放っておいて、なっちゃんの荷物に目を光らせる。
「なっちゃん、それって!!」
興奮した私がキラキラした目でなっちゃんに話しかける。
「はい!持ってきましたよぉ〜」
ひらひらレースのふわふわドレスが紙袋から登場した瞬間、翔ちゃんが逃げ始めた。
「なっちゃん!捕獲!」
「らじゃー!」
なっちゃんの長い手足はすぐに翔ちゃんに追いついて、すぐに私の前に翔ちゃんを連れてきた。
「ふふ、翔ちゃ〜ん?楽しい時間の始まりだねぇ」
ニヤニヤと翔ちゃんの顎に指をかけると、なぜだか翔ちゃんが顔を赤らめた。
「なっちゃん!剥いちゃって!」
「らじゃ〜」
「ばっ!やめろ、なーつーきぃぃ!」
翔ちゃんの抵抗もむなしく、翔ちゃんは翔子ちゃんに早変わりしたのです。
「「翔ちゃん、可愛い〜〜」」
二人でハモって、写真を撮りまくる。
「可愛くなんかねぇっつうの!俺は男だ!」
「翔ちゃんわかってないなぁ、可愛ければ性別なんて関係ないんだよ!私は翔ちゃんも翔子ちゃんも受け入れるよ!」
「僕もですよ〜」
私たちのお馬鹿発言に、翔ちゃんはげんなりしている。
「翔子ちゃん、上目遣いでちょっと目を潤ませて!」
「んなことするかっつーの!」
「なっちゃんが高いアングルから撮れば、少なくとも上目遣いは撮れるよ!」
「翔ちゃ〜ん、こっち見て下さい、こっち!」
ふるふると震えながら俯く翔子ちゃん。
「おい、春」
「ん〜?」
デジカメの中の翔子ちゃんの写真を確認してると、ぐいっと腕を引っ張られた。
「へっ?」
ぐっと顔が近づいてきて、あっと思っている間に唇が触れ合っていた。
目の前には、美少女。
美少女に扮した翔ちゃん。
翔ちゃんなのに本当に女の子みたいで、何だか背徳の香りがする。
「俺は女じゃねえよ、いくらこんな格好してたってな」
大きな目に、白い肌。流れるような長い髪の美少女から発される声は、確かに男の子のそれだ。
「……き」
「何だよ」
「ボーイッシュな女の子っぽい翔ちゃん、素敵……」
「は、はぁ?」
「やっぱり、"可愛い"に国境も性別もないんだよ!だって、翔子ちゃんでも翔ちゃんでも、可愛いのは可愛いんだもん!」
「わかってくれますか?春ちゃん」
「カッコ可愛い翔ちゃんも、女の子らしい翔子ちゃんもまとめて大好き!」
(はっ!?だ、大好きって、おまえっ)
(あ〜、それじゃあ春ちゃんが男の子の格好して、二人で並んでみるとかどうですか〜?)
(それ良いねぇ!採用!なっちゃん、カッコいい服選んできて〜)