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「神さーんっ!お昼食べましょ……って、春。お前何食ってんだ?」
神と昼食を食べようとクラスにやってきた信長だったが、目当ての人物より先に、いつのまにか神の隣に居た同じクラスの春を見つけた。

「ん?宗先輩からもらったの!」
美味しそうに春が食べているのは、チョコレートだ。
「ほら、今日はバレンタインでしょ?それで、宗先輩が貰ったのをあたしが食べてるの!」

美味しいよ!と頬を膨らませながら食べるのは構わないけれど。
信長はつい本音をポロリとこぼした。
「つーかお前、仮にも神さんの彼女だろ?こんなに貰ってて嫉妬とか無いんか」
「宗先輩はみんなにモテモテなんだから、みんなに嫉妬してたら大変じゃん?」
「はぁ………」
「それにせっかく買ったり作ったりしたのに、受け取ってもらえないなんて悲しいでしょ?だから、受け取ってってあたしが言ったの」

ね?と確かめるように春が神の顔を覗き込む。

「うん、それに一応は俺もひとつずつ貰ってるから。春なりの平和的解決なんだよ」
いつの間にかくっついていた不思議なカップルだとは思っていたけれど、相変わらず不思議だなぁと信長は余計なことを考えるのをやめた。

(あっ、宗先輩!これおいしーい)
(本当だ。今度買ってこようか)

(そんな君が大好きな僕です)
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