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□翔
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「あーもう、我慢できない」
「ん?」

二人で部屋で課題をこなしている最中に似つかわしくない声が落ちた。
「翔、何でそんなにえっろい首筋してんの?」
「は?」
さっきより低くなった声で意思表示をしても、俺の隣にいそいそと移動してくる千晴は聞いていない。

「すべすべしてそうで白くてさ……キスマークが映えそう」
「悪かったな色白で!」
「いいじゃん、俺は好きだよ」

至近距離で美形に囁かれたら、誰でも赤くなるに決まってる。
「す、すきって」
「そういう反応されちゃうと、止まんないな」
「ひゃっ!?」
ぺろっと首筋に温かくて湿った感触がした。
それだけなのに、ぞくぞくと肌が粟立つのは何でだろう。
「なに、気持ちよかった?」
「ち、ちげぇよばかっ」
はーなーせぇー!とぐいぐい押しても、悲しきかな体格の差は歴然だ。
俺はすぐ諦めてしまった。

俺の抵抗がなくなったことでがぜんやる気になってしまった千晴が大胆な行動に出る。
「痕付けたいな」
「はぁっ!?だめに決まってんだろ!」
「つける。から、大人しくしてて」

獲物を狩る動物みたいに爛々と輝く瞳は、俺に抗うということを忘れさせた。
捕食される草食動物みたいに震えるばかりだ。
しかし、俺はそいつらとは違い、捕らえられることを心のどっかで待ってしまっている。

その強い視線が身体をじんと痺れさせる。
無意識に緊張で乾いた唇を舐めると、それが逆効果だったらしく、荒く唇を塞がれた。
「んっ……」
すぐに舌が侵入してきて、口内を舐め尽くすように動き始めた。
ぬるりと絡み合う感触と漏れる千晴の吐息にすっかり興奮してしまった。

「ぁ、はっ……」
離れた唇をぼんやりと目で追う。
二人の唾液で濡れた唇はひどく煽情的だ。

首筋を小さく何度も啄まれ、舐められる。
高い鼻梁が耳元に近づいてきたと思えば、すんすんと鼻が鳴った。
「翔、知ってる?耳の裏って、一番その人の匂いが濃い場所なんだって」
「やっ……か、嗅ぐなぁっ」

万が一でもその匂いに嫌悪感を持たれたら嫌だと首を振れば、至極楽しそうに笑う千晴。
「何で?翔の匂いがするのに……」
「だ、から嫌なんだろっ」
「いい匂いだよ」
ぺろっと耳の裏を舐められて、俺はゾクゾクとよくわからない感覚に襲われた。
ちくっとした感覚に驚けば、「痕つけちゃった」と悪びれず告げられる。

「はぁぁぁ!?」
「恥ずかしがって嫌がる翔が可愛くてさ」
何が楽しいのか、にこにことまた首筋を弄るのに戻る千晴。
今度は本格的に首筋にキスマークを付けられることが窺える。

つうっと長い指先がシャツを開いて胸元をさわり始めた。
びくっと大げさに反応してしまい、羞恥に顔を背ける。
揉みしだくような手つきに身体を波打たせて、無意識に反応しかけた欲望を千晴にこすりつけてしまう。
「ふふ、可愛い」
「んあぁっ」
ぐりっと足の間を刺激されて、俺は条件反射で腰を動かす。


「気持ちよくしてあげるね」
いつのまにか千晴の手にあった潤滑剤を屹立と受け入れる場所に塗りたくられ、冷たさに身を竦める。
「ひっ、つめたっ……」
「すぐに良くなるから」
手始めに屹立を扱かれた。ぐぢぐぢと先端と出っ張りの裏を弄られたら声を上げることしかできない。

「あっ、いい……ん、ひゃっ」
後ろに侵入した指が器用に俺の肉を割り開いていく。
すぐに気持ちのいい場所を引っかかれて、全身で感じた。
「あ……っ!そこっ、そこぉ……ひぅっ」
ぐりぐりと中の膨らみを押されて、チカチカと目眩がするほど良かった。
「ひゃぁぁぁんっ!あっあっあっあんっ」
千晴の指に翻弄されて、千晴の意のまま喘ぐ俺は淫乱に見えるだろう。

「柔らかいのに、きゅって締まるね」
「んやっ、あっ、だって、千晴がっ……千晴が俺のそこ触るからっ!んんっ」
「どんな風に触られたら気持ちいいの?翔」
「ふぁ、あっ、そこ、ぐりぐりって、あっあっ、前もっとぐじゅぐじゅしてぇ……っ」

わけわかんないまま拙い言葉を吐き出すと、千晴は「えっろ……」と低い声で唸った。
「も、入るかな……」
「やっ、入れてくんなきゃやだぁ」
「煽んなって……優しくできなくなる」
「い……から早く、入れろよ……ふゃぁぁぁっ!」
熱い楔が俺を貫き、その衝撃に身体はびくびくと暴れる。
きゅうっと千晴を締め付けても、まだ足りないとばかりに奥まで進んできて、余計に感じた。

「あっ、ん!あつ、い……はっ、千晴……なんかいつもよりデカい……?」
これ以上ないほど広げられた内壁が千晴を感じてうねる。
「ん、興奮してるかも、いつもより」
「ぁっ、ばか、も、吸うなぁっ」
「翔の首筋にキスマークがあると、俺が付けたんだって思って嬉しくてさ」
「だ、だからって……」
「翔は……嫌?しばらくは撮影もないよな?」
「他の奴に見られたらからかわれるだろ?」
「いいんだよ、そうしたら俺が付けたんだって自慢するんだから。そうしたら虫除けになる」
「は?虫除け?」
なんだそれ?と首を傾げるまもなく、千晴は律動を再開した。

「もういいから、翔くんは大人しくいつもよりデカい俺のでめろめろに感じちゃってください」
「変なこと言うなぁっ!」

いやらしい腰つきに翻弄される。
いつもと違って首筋に顔を埋める千晴が新鮮でときめいてしまい、悔しいけど俺はめろめろになってはしたなく千晴に何回もねだってしまった。



「あんっ、も、いくから、千晴っ!ふあ!」
「いいよ。ほらっ、イッて」
「んぁぁーーっ……!」
ぐりっと前立腺を抉るように刺激されて、俺は快感に飲まれて果てた。







疲れてそのまま眠ってしまい、次の日に夥しい数のキスマークに血の気が引いた。
キスマークというより痣に近いそれに、からかうどころか同情されてしまった俺は結局顔を赤らめて千晴を怒鳴りつけることになったのだった。

(これじゃ病気みたいだろうがっ!)
(俺はそんな翔も愛すよ!)
(お、ま、え、が、元凶なんだよっ!)

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中の人繋がりでキスマークネタが熱いです!!
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