小説
□僕が持つ障害
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8月13日。
蝉の声が騒がしく鳴り響く夏の日。
産婦人科の中で…沢山の人に見守られながら僕は生まれた。
とても大きくて、難産だったらしい。
それが……初めて、僕がお母さんと出会った瞬間。
誰にでもあることだけど…とても…とても…素敵な瞬間。
この瞬間の話は、母親から何度か聞いた記憶がある。
その度にその時の苦しさを伝えられたっけ…。
そうして今…自分がここにいる訳だが、
それが不思議に思えてならない。
何でここにいるんだろう?
誰よりも自分が嫌いだった。
いつも今更って時には後悔して何度も泣いた。
そうして涙は枯れた。
そんな人生を今こうして書き綴っているのは何故だろう?
思い出したく無い事を…
こうして思い出そうとしているのは何故だろう?
分からないけど忘れてはならない。
全ては自分が悪かった。