純情シリーズ
□パスワードは愛
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「……ん? パソコンじゃん! 地面に置くなよな。電源つけっぱなしだし」
電源を消そうと、パソコンを操作した。
― やっ、やめて! 秋彦さん…。いやっ…。そこはだめ…!
美咲、かわいい。 ―
バタっ。
美咲は本能的にパソコンを閉じる。
「あん…のクソウサギ!起きっ……」
だめだ。
ここで起こしたら、小説の感想を聞かせろ、と流されてしまう。
早く、この小説を消さなくては。
こっそりと顔をのぞくと、秋彦は恨めしいくらい端正な寝顔で、スヤスヤと眠っている。
よほど疲れているのだろう。
この小説を書くために、ここまで頑張ったんだと思うと、消すのはもったいないと思うが……。
こんなの、書くのが悪い!
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