リク、キリ番etc
□何年先も
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目が覚めると、俺は野分の腕の中にいた。
仕事、お疲れ。
先に寝て悪いな。
伝えたいことがある。
だが、普段の俺は言えるはずもなく。
野分は寂しかったのだと思う。
最近、二人きりで話すことはほとんどできないから。
俺も、このぬくもりを欲していた。
今の状態が、ずっと続けばいい。
野分に抱きしめられると、満たされる。
心地がいい。
まだ、朝まで時間がある。
さっきよりも野分に近寄って、瞼を閉じた。
隣には、世界で一番好きな人。
俺は、つくづく、幸せなのだと感じた。
野分が起きたら、“おはよう”と言いたい。
その笑顔が、好きだから。
『何年先も一緒にいたい』
そう言ったら、野分は笑って頷いてくれるだろう。
このぬくもりを、離しはしない。
END