リク、キリ番etc
□愛しい君の名は…
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野分。
出会ってから、何年が経つだろう?
初めて会ったとき、俺は泣いていた。
ごめんな……。
叶わない恋に、泣いていたんだ。
野分は泣き顔に惚れてくれた。
だから、あの恋は無駄じゃなかった。
いきなり押し掛けられて、告白されて……。
お前は名前通り、台風みたいだった。
俺の気持ちは、あっという間に変わってしまった。
心の中は、野分と言う存在でいっぱいになった。
お前はよく嫉妬するけれど、俺はお前しか見えてない。
野分が留学した時、俺がどんなに寂しかったか。
どんなに後悔したか……。
だからもう、お前を手放したくないんだ。
……離れたくない。
絶対に嫌だけど、また離れてしまうことになったら……。
お前が助けてくれるって、信じてる。
俺たちの関係が、脆いってことは分かってる。
表向きは平気な顔してるけれど、不安が絶えない。
いつ壊れてしまうのか、怖くてたまらない。
寂しくても我慢するから、俺から離れないでくれ。
野分、愛してる。
お前が抱きしめてくれるから、今、本当に幸せだよ。
野分という名の台風が、俺は大好きだ。
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