純情シリーズ
□A Happy New Year!
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明けましておめでとう。
世界で一番好きな人と、一緒に言いたいこの言葉。
今年一年が幸せな年になりますように――。
ロマンチカ
「ウサギさん! もうちょっとだよ!」
現在の時刻11時45分。
年越しまであと15分に迫った。
「寒い。何も神社で年越ししなくたっていいじゃないか」
「だって、大晦日は俺の好きにしていいって言ってたじゃん!」
仕事が予定通りに終わった秋彦は、大晦日美咲の好きに過ごしていいと言ったのだ。
「大晦日といったら、初詣だろ! 本当は兄ちゃんも一緒が良かったけどさ、真浩がまだ小さいから行けないんだよ」
「……俺と2人で過ごしたくないのか?」
秋彦の呟きは美咲には聞こえていない。
「俺、毎年この神社にお参りしてるんだ!」
元気に笑う美咲に秋彦もつられて笑ってしまう。
「おっ、カウントダウン始まったぞ」
10、9、8、7、6、5、4、
3、2、1、
大きな声でカウントをする美咲の隙をつき、顎を掴んでキスをする。
「なぁっ!」
「構わないだろう?」
そうだ。
皆、今年の希望に胸をはせ、前を向いて歩いているのだから。
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